「酷いわね…」
「普通だろ。」
オフィーリアの身体を黒歌が拭いていくのを何となく眺める…
「だって…あちこち歯型が…怪我まで…」
「激しいのをご所望だったんだろうさ。一々気にしてたら終わらないぞ?」
オフィーリアの身体はボロボロだった。細かい傷が大半で半人半妖のこいつの身体なら既に治っていても可笑しくない筈だが、意識が無いせいか中々治らない。
「あいつも言ってたが、こういうのは先に手を出した方が悪い「けしかけたのはアンタでしょ」…そう言われたら何も言えないが、な…だが、色魔には良い薬になったろ…見境無く手を出せばどういう事になるかいい加減身に染みて分かった筈だ。」
それにしても…あいつはもうクレイモアの身体では無いのにここまでやれるとは…この分なら戦闘でも足手まといにはならないだろう…本当に底が知れないな…ん?そう言えば…
「何だ?わざわざ身体を吹いてやってるのか?さっきも言った通り後始末はして来たんだがな。」
ある事に気付き、考え込んでいた所ちょうどあいつが戻って来た…ちょうど良い、寝られる前に疑問は解消しておこう。
「テレーズ!何も…何もここまでやらなくても良かったんじゃないの!?」
「…何を言うかと思えば…先に手を出して来たのはそこの馬鹿だ。大体、私はもうクレイモアじゃないんだぞ?こいつにヤられたら私の身体の方がもたなかったかもしれん。」
「それは…そうかもしれないけど「なぁ、テレーズ?一つ聞きたいんだが…」テレサ、アンタこんな時に何を「悪い…大事な事なんだ。」…はぁ…分かったわよ…」
「何だ?さすがに疲れてるから手短に頼むぞ?」
「オフィーリアは…覚醒しなかったのか?」
「あっ!」
「…成程な、その事か。有り体に言えばアザゼルは人の身体に余計な細工こそしたものの、それ以上に良い仕事をしてくれたんだ…オフィーリアが絡んで来た時、私は敢えて執拗に攻め立てたんだ…主導権握らせたらこっちが潰されかねないからな…で、当然、オフィーリアは妖力解放を始めたが、私自身も妖力解放して抑え込んだのさ。」
「無茶をしたな…つまり最悪、オフィーリアが覚醒していた可能性もあったわけだ…」
「…正直私も、終わった…と思ったな…地力は向こうが上だから仕方の無い事とは言え…今の私は覚醒者を狩るのは難しいだろうからな…」
「良く分かってるじゃないか…お前がいない間にちょっと気になったから、アザゼルに電話でお前の身体はどの程度クレイモアの身体を再現出来てるのか聞いてみたんだよ…そしたらな…『全体の七割程度なら力を解放しても問題ねぇだろ。計測の時採取した、お前の身体の一部から作り上げた特別製だからな。最も、それ以上は保証出来ねぇがな』…だとさ…」
「そうか…なら、戦闘でもあまり足を引っ張る事は「後だな」ん?」
「その身体…妊娠するそうだ…」
「えっ!?」
「余計な事を…」
「つまりお前は本当にこれから女としての幸せを享受出来るわけだ…良かったな?」
「…何処がだ…クレイモアは基本、妊娠しないから楽だったのに…」
「どうでも良いが…確か、リフルとダフは子供を作った覚えがあるのだが…」
「アレはまた特別なんだろ…そもそも私たちにはアレが来ないんだぞ…ッ…そうか…妊娠するならこれから来る様になるわけか…」
「そうなるな…クレイモアになる前の事をどの程度覚えてるのか知らんが、一度レクチャーは受けた方が良いぞ?黒歌…お前、人と同じ生理は来るのか?」
「私は元々猫だから、月経が無いから本来は来ないけど…今は人の身体になってるから一応来るわよ「なら、テレーズに教えてやってやれ」…仕方無いわね…何時来るか分からない以上、今晩中に教えておきましょうか…テレサ?オフィーリアの身体を拭き終わったから着替えさせてくれる?」
「了解。」
「それじゃ、テレーズ?こっちに来て?」
「…仕方無いか、分かった。」
黒歌と部屋を出て行くテレーズを見送り、オフィーリアに着せる服を出す為、タンスを漁る…服はまぁ、また私ので良いか…問題は下着か……面倒だし着けさせなくても良いか…
ジャージを出して来て、着せる…意識の無い奴から服を脱がせるのはそう難しくないが、着せるのは非常に面倒臭い…まさかこれから毎日の様にこんな事しなければならない訳じゃ無いよな?オフィーリアがこれで少しは懲りてくれると良いんだが…さて…布団を敷いてやる必要も無いか…さっきの毛布をそのまま掛けてやれば良いだろう。…疲れた…私ももう寝よう…あの二人の事は放っておいても大丈夫だろう…