いざ外に出てみれば、恐らく魔術師であろうローブを被った連中と剣やら、斧やら、武器を持った連中が…?……ここに来るのは魔術師だけでは無かっただろうか?…まあいい、考えるのは後だ。…大した使い手でも無さそうだしな。
「…リアスたちはチームを組んで当たれ、最低でも二人以上で行動しろ、黒歌、こいつらのフォローにまわってもらって良いか?」
「りょ~かい。…あんた指揮出来たのね…結構板についてるわよ?」
「好きでやってるんじゃない…本当は苦手なんだ…私とオフィーリアは好きに動く、巻き込まれたくなかったら手伝おうなどとは考えない事だ…自分たちの獲物に集中してろ。」
「適当ねぇ…貴女の指示なら聞いてあげても良いと思ってたのに。」
「…お前がいざ戦闘始まってから律儀に指示を聞くとは思えんからな…ッ!来るぞ!散れ!」
こっちに魔術師の一団が滅びの魔力を放とうして来るのが見えて、慌てて指示を出し、私もその場から飛び退く…巻き込まれた奴は無し、と。…そこで目を閉じ、意識を切り替える…あの頃、右も左も分からない中、真っ先に身に付いたスキルがこれだ…すぐにでも戦闘に特化した状態に意識を切り替えられなければ、この世界では所詮、中途半端な強さしか無い私などとっくに死んでいた…目を開ける…
「……」
見える…敵の動きは元より、味方であるリアスたちの動きも…黒歌の動きも把握出来る…?オフィーリアは?
「ちょっと?」
「…ん?お前、何で横にいるんだ…?」
非常時なのに惚けた声が出てしまった…何だ?こいつの性格的にもう真っ先に斬りこんでいると思ったんだが…
「…そんな顔しなくても良いでしょ?私だってこの状況でただ暴れれば良い訳じゃない事くらい分かるわよ…聞き忘れた事があったの。」
「…何だ?手短にな。」
何時の間にか、武器を手に持った連中に囲まれているのに気付き、オフィーリアと背中合わせになりながら会話に応じる…こいつに背中を任せる事になるとはな…疑ってる場合でも無いが。
「貴女もテレーズもこの場では基本的に殺すな、が方針の様だけ、ど!」
「そうだ、な!」
会話の間もこちらを待つ事無く、向かって来る連中を殴り飛ばし、蹴飛ばす…やはり弱い…最も私とオフィーリアにとっては、だが。黒歌はともかく、まだあいつらにはこの程度の使い手でも辛いだろう…
「ふぅ…本当に斬らないの?私と貴女、黒歌はともかくあの子たちにはこいつらの相手はキツイわよ?」
「…何を言うかと思えば…」
こいつに自分や、私とテレーズの事ならまだしも、それ以外の連中を気にしている事に少しの驚きを感じつつもこいつの勘違いを正してやる事にする。
「私もテレーズもお前に言ったのは殺すな、という事だけだ…分かるだろ?この場にはクレアもアーシアもいない…だから、現状武器の無いテレーズがギャスパーたちの所に行ったのさ…」
「そういう事…難しい注文するわね…」
「おや?仮にも元No.4がそれくらい出来無いとでも?」
先の攻撃で実力の差が見えたのか、警戒して中々、向かって来ない連中から視線を逸らさず、オフィーリアを煽る…いや、さっさと向かって来いよめんどくさい…
「言ってくれんじゃない…分かったわ…じゃあ、私は暴れさせてもらうから、貴女は貴女で頑張ってね♡」
ちょうど私が剣を抜いた所で、オフィーリアも剣を抜いていた…堪え性の無いこいつが今まで剣を抜いていなかった事が今日一番の驚きだよ…そしてオフィーリアが先に自分の目の前の敵に突っ込むのが分かった…さて、私も行こうか…!
目の前に振り下ろされる武器を躱し、その腕を斬り落とす。上がる叫びを意識から切り離し、もう片方の腕と、両足を切断…序に両目を潰す…要は殺さず、戦う力を削げば良いのだ…ショック死する可能性もあるが、さすがにこいつらそんなヤワな奴らじゃないだろう…さすがにこの場にクレアやアーシアがいたらこんな光景は見せられんがな…
囲んでいる敵を、オフィーリアと共に蹂躙しつつ…周りを確認すれば、リアスたちも分かってるらしく、敵を無力化している…本当にお前らの成長が嬉しいよ…ゼノヴィアは元々分かっているようだ…まだ未熟な様だが、木場と同じく、剣の素養があるだけあって良い動きをしている…終わったらあいつの稽古も付けてやるかな…ゼノヴィアが望むのなら、だが。
……さて、終わらせようか!
無駄な思考に回していた意識をカット。目の前の敵を潰す事だけに集中する…