『…ギャスパー、聞こえる?』
「はっ、はい!聞こえてますぅ!」
『…確認するわよ。貴方のミッションは貴方が今抱き抱えてるその子を親御さんに返すことよ』
「…リッ、リアス部長!やっ、やっぱり僕には無理ですぅ!」
『…ごめんね。貴方を知らない人に会わせるのは不安だし代わってあげたいけど……貴方も知っての通りその子は貴方にしか懐いていないの。だからその子をお家に返せるのは貴方だけなのよ。大丈夫。貴方は優しくて強い子よ。きっとその子を親御さんに返してあげられるわ』
「リアス部長……はい!分かりました!僕頑張りますぅ!」
『いい返事ね。私たちは貴方に声を飛ばすことしか出来ないけどちゃんと状況は確認してるからね。何かあったらすぐに連絡しなさい。それじゃあ頑張ってね』
「…部長、本当にあいつに任せて大丈夫なんですか?凄く不安なんですけど。」
「…イッセー……不安なのは私も一緒よ。でもあの子私は愚か、イッセーも祐斗も朱乃も小猫にすら懐かないどころか顔見ただけで泣き出すんだもの。何故かギャスパーには物凄く懐いてるのにね」
「…そうですね。俺も初めてお客さん家で見かけたとき大泣きされて困惑しましたから」
「…僕も……あんなに泣かれたのは初めてなのでビックリしました」
「……うふふふふ……」
「…」
「…朱乃、ショックだったのは分かったからそろそろ立ち直りなさい、後小猫は無言で睨まないの。」
「…ギャー君の次に見つけたのは私なのに……」
「…あの時は驚いたわね。朝早く貴方から電話があったから何事かと思ったわ。それで来てみたら……思わず笑っちゃったわね。あの子……ギャスパーにコアラみたいにしがみついて離れないんだもの。それに困惑したギャスパーがひたすら悲鳴あげてるから可哀想だったけど。……そう言えば未だに不思議なのよね、あの子別にギャスパーと接点は無かったんでしょう?」
「ええ。そのはずですよ。そもそもギャスパーはあいつが生まれる前からずっと旧校舎から出てきてないんでしょう?会う方が難しい気がするんですけど」
「…そうよねぇ……そう言えばあの子どうやってここまで来たのかしら?あの子の家からここまで1キロくらいはあるわよね?」
「…そうですね。あの時俺と木場は自転車で向かいましたから。あいつどう見てもまだ2、3歳くらいだよな、本当にどうやって来たんですかねぇ……?」
「…まあ来れた理由は今は置いておきましょう。取り敢えずギャスパーが失敗しないように見守りましょう。あの子には厳しいかもしれないし、子供を待ってる親御さんには不謹慎だけどこれが成功したら絶対あの子に自信をつけさせることが出来る。何としても失敗しないようにサポートするのよ。」
「…そうですね。それにしてもいい人達なのは分かってたけどまさかギャスパーの体質に合わせて夜中に返しに来るのを了承するとは思いませんでしたね……」
「そうね……おかげで子供をスムーズに返すことが出来るわ。本当に頭が上がらないわね。こうなったら絶対に成功させないと」
ギャスパーっていつから旧校舎にいるんだっけ…?