「おうテレサ!何で黙ってたんだよ!水臭ぇじゃねぇか!」
グレイフィアが来てクレアたちを引き取り、クレアとアーシア、それにギャスパー(最近になって毎日ではないが、ちゃんと授業に出る様になった)の休学の連絡を学校にして、取り敢えず連中に対する誘いの意味を込めて、複製のオーフィスを連れて出かけようとしていた所、アザゼルがやって来た…
「何でって、お前な…自分の立場を考えてみろ。」
「俺はお前の「友人、仲間、家族、単なる腐れ縁…後は下品な言い方をするなら愛人か?どれでも今なら私は受け入れるが、それとこれとは別問題だ」…ふぅ。まっ、指摘されるまでも無く分かってたけどよ、一言伝えるだけなら出来たんじゃねぇか?」
今回の一件で元とは言え、堕天使総督だったアザゼルが悪魔の土地(ということになっている)の駒王町で勝手な動きをしようものなら、協定も無かった事になりかねんからな…だから敢えて伝えなかったんだが、まさか直談判に来るとは…何処まで本気か知らんが、今この場に黒歌やセラフォルー…それに朱乃…既にアザゼルの事はあいつらに伝えてあるが、もし今この場にいたらどうなってたか…咄嗟にオーフィスを奥にやって良かった…アザゼルを黙らせる為とはいえ、今回は迂闊だった…我ながらとんでもない事を口走った物だ…
「どうやって私がオーフィスを匿った事を知ったのかは知らんがな…結局お前何しに来たんだ?…まさか本気で私を揶揄うためだけにここに来たわけじゃないよな…?」
アザゼルにケンカを売りたくはないがさすがにふざけた理由だったら今回ばかりは一発殴る。
「ああ、もちろんそれはついでだ、本命はこっちだ、ほれ。」
アザゼルに紙袋を渡された。
「ん?これは「篭手だよ」……今度は使い物になるんだろうな?」
「さあな…つか、もうちょい大事に扱ってくれねぇか?いくら何でも壊す頻度が多過ぎるぞ…」
何時かのレーディングゲーム…ライザーと戦った私はあいつを素手で殴り、大火傷を負い、さすがにその戦い方を気にしたアザゼルが私の為に篭手を作った。……作ってくれたのは良いが、私の妖力に耐え切れず毎回壊れる…既にこれが四つめだ。
「知らんよ、私だって壊したくて壊してる訳じゃない…まあせっかくだ、万が一連中がやって来たら使わせて貰おう。」
「おう。じゃあ、俺は帰る、サーゼクスに宜しくな。」
「ああ…」
アザゼルが部屋を出るのを見送る…さて…
「待たせて悪かったなオーフィス?行こうか?」
「分かった。」
「…すまんな、お前だってコピーとはいえクレアと一緒に「違う」ん?」
「我、一緒。」
……抽象的に聞こえたが何となく意味は分かった。
「本体とコピーは記憶を共有している…?」
「そう。我、クレアとテレサ…一緒にいる。」
「そうか、なら寂しく「テレサ寂しい?」んん?」
「テレサ、我いないと一人…寂しい?」
……ふぅ。全く…妙な心配をする物だ。
「……そうだな、一人だと寂しいかもしれないがお前がいる、だから私は寂しくないさ。」
「そう…」
オーフィスの頭に手を乗せ、撫でる……ふむ、やはりこいつは撫で心地が良い…。クレアと良い勝負だな。