それから十数着程、オーフィスに試着をさせ、全部買ってやった……数着程本人が気に入ったのを購入するつもりが…買ってやると言ってるのにオーフィスがあまりにも渋るから思わずやけくそになってしまった…
「テレサ…本当に良いの…?」
「何度も良いと言っただろう?駄目なら駄目とちゃんと言うさ。」
全く…子どもの癖に妙な遠慮をする…こんな所までクレアやアーシアに似なくて良いと言うのに…まあ実際は私よりも何倍も長生きなんだろうが…
「でも…」
「あのなぁ…クレアたちにも言っているが、一々妙な遠慮をするな。家族なんだ、もっとワガママを口にしてくれてもいいんだぞ?大丈夫だ、確かに高い服ではあるが、この程度ならもう十着程買ったとしても大して痛手にはならん」
……現状、クレアだけでなく、アーシアや小猫の進学費用が出せるくらい、文字通り腐る程口座に金が入っているからな…特にセラフォルーの稼ぎが入って来る様になってからは、更に金が余るようになった…そもそも何であいつは給料を全部黒歌に渡してしまうのか…私でさえ、自分で使う金は残すと言うのに。
……まあその私も無趣味だから、実際はほとんど使い道は無いんだが。…ん?私の服の値段?……今持ってる服の十分の一くらいの値段だな。……しかし…これは無駄遣いになるのだろうか…正直、黒歌ならオーフィスの気に入る服を自分で作れそうだからな…こんなに買う必要は無かったかもしれん…
モール内のフードコートに行き、昼食を取る…時間をかけ過ぎたな…もう午後になってしまった…もう少し色々回ろうと思っていたのだが…
「オーフィス、まだ何処か行きたい所はあるか?もうあまり時間は無いが。」
奴らを誘い出す為とはいえ、これから先オーフィスには人間と同じ生活習慣を身につけて貰わないといけないからな、夜の外出は控えておきたい…
「我、本を読んでみたい…」
「そうか、なら本屋を見に行こう。」
……オーフィスは字は読めるのだろうか…まあ学校に通うなら後々必要にはなる…私が…いや、クレアたちに教えさせようかな…?
オーフィスが指指した絵本を取ってやる…どうやら文字は読める様だ…と言ってもこの絵本は全てひらがなで書いてあるようだから、それ以外は読めるのかは分からないが。
「……」
しばらく黙々とページをめくっていたがオーフィスが本を閉じ、渡して来る。
「もう、戻して良い。」
「…気に入らなかったのか?」
「ううん…面白かった。」
「気に入ったのなら買ってやるぞ?」
「良い。」
まあ本人が良いならこれ以上グダグダ言うつもりも無い。……改めて考えたらどう考えても服を買い過ぎたからな…これ以上荷物を増やすのは厳しいしな…