「ちょ…!危ないからそろそろ離れて欲しいにゃ!」
「……」
家に彼女を運び込み、しばらくして復活した彼女は私やオーフィス、そして朱乃には目もくれず黒歌を探し始めた。
彼女の制服の破れた箇所を繕っていた黒歌は最初は真っ赤な顔をしつつ、食い気味に話しかけて来る彼女に軽く引きながらも対応していたが、やがて彼女の方が我慢出来無くなったらしく、突然抱き着いて離れなくなった…どうも抱き着き癖があった様だ…
『テレサちょっと助けて『断る、めんどくさい』っ!ふざけにゃいで!彼女が不安がってるのは分かるし、普通にゃら私だって文句言わないけど、今針使ってるから本当に危にゃいんだってば!?』
相変わらずのアイコンタクトで会話を成立させる…まだこれ出来るの黒歌だけなんだよなぁ…
『一旦制服と針をどっか置いたら『ダメにゃ、万が一針が抜けて、見つからにゃくにゃったら大変な事になるにゃ』そう言われてもな…』
私はまだしも、朱乃にすらまるで反応しないんだ…どうやって引き離せば良いと言うんだ…そもそも朱乃は朱乃で今は夕飯の支度をしているから呼べん。
『仕方無い…なら私が気絶させ『ダメにゃ』……お前な、じゃあどうしろと言うんだ…』
『だから、あんたから一旦離れる様に言ってよ!』
『そいつは今、お前しか見てない。私の説得なんて無駄だ。』
『だって私の話、全然聞いてくれないし『そもそも撃墜したのはお前だ、責任持て』そんな事言ったって…私はただ…挨拶しただけなのに…』
自覚無しか…本当にタチが悪……巨大なブーメランが向かって来る幻が見えて来た……疲れているんだろうか…?
『…仕方無い、取り敢えずその制服を一旦寄越せ。』
『それは助かるけど私は一体何時までこのまま『そいつ、今日はさすがに疲れただろうさ…もう少ししたら寝るんじゃないか?』…もう少しって…具体的に何時…?』
私はそれには答えず黒歌から制服を受け取ると背を向けた。
「ちょっと!?何処に「そいつの事は任せた。」待つにゃ!?」
私は部屋のドアを閉めた。
今日買ってきた服の入っていた袋に制服を放り込み、部屋の隅に置き、椅子に座る……ふぅ。
「…アレ、放っておいても良いんですか?」
「さあな、どうにかなるだろ…多分。」
調理をしつつ、こちらに話しかけて来た朱乃にそう返す…やれやれ…何か本当に今日は疲れたよ…
「……」
「小猫、今日はさすがに相手する体力無いんだが「だって…黒歌お姉様が」……膝の上に乗るくらいなら許してやる…大人しくしてろよ?」
黒歌があいつの相手をしているものだから小猫はこっちに必然的に引っ付いて来る…ハァ…オーフィスは隅で大人しくしているが、こっちを見て、ソワソワしている…ハァ…
「オーフィス、こっちに来るか?」
そう言うとあからさまに嬉しそうな顔をした…なのでてっきり、こっちに来るかと思えば意外な言葉を口にした。
「良い「我慢しなくても良いんだぞ?」大丈夫…」
大丈夫な顔では無いな、それは…クレアとアーシアに影響されて自分の欲求を抑える事ばかり覚えて行くな…成長、と思っていたが…これは行き過ぎだ…本当にどう教えたら良いのか分からないな…