「最悪な目覚めだ…っ!?」
目が覚めた瞬間そう口に出してしまい、私は横を見る。
「…すー…すー…」
「良かった…寝ているな…」
朱乃が寝息を立てているのを見てホッとする…やれやれ…
「…常人なら悲鳴をあげる程度では済まないレベルの力で抱き締められているからな…本来、文句の一つも言った所でバチは当たらないと思うが…」
こいつのこれは無意識らしいからな…寝てる訳だし当然と言えば当然か…指摘してこいつが凹むのを見るのは私の精神衛生上、非常に悪い…別に死にはしないし、黙っている事にしよう…
「グッ…いっつ…ふん。」
とは言え、目覚めて自覚してしまえば私だって痛みは感じるし、自分の身体が軋む音を聞かされれば気が狂いそうにもなる…妖力解放しつつ、起こさないよう、細心の注意を払って振りほどいた。
「…たまに寝ぼけ方が酷いと私に電流を流すからな、こいつは…」
とは言え、それで離れたいと思わない辺り、私も既に何処か壊れているのだろう…マゾでは無い…断じて違う。
「…何だ、まだ起きてたのか?」
「…思ったより手間取ったにゃ。」
茶の間に行ってみれば結局徹夜したと思われる黒歌がいた。
「すまんな…」
「……良いにゃ。取り敢えず今日は仕事休んで寝るにゃ…そう言えはあんたは何でこんな早く起きて来たにゃ?」
「……朱乃がな…」
「あー…大丈夫…?」
…そうか…頻度は私が多いが、こいつやセラフォルーも被害にあった事があるんだったな…
「大丈夫だ…少なくとも死にはしない。」
「そういう事じゃにゃいんだけど…もう良いにゃ…私は寝るにゃ…その子の事頼んだにゃ。」
ソファに昨日連れて来たあいつが毛布をかけられて眠っていた…
「面倒だが、仕方無いな…分かったよ。」
「ご迷惑をお掛けしました…」
「良い、気にするな…というかそれは黒歌に言ってやってくれ。」
それから二時間程してあいつは起きて来た。
「う…」
「その様子だと昨日の事はちゃんと覚えてるんだな?」
「はい…黒歌さんに何て言ったら…」
「…さすがに限度はあるが、あいつは甘えられるのを怒ったりはしない方だ。あまり気にしない事だな…」
「何処にいますか?私、謝らないと…」
「お前の制服の手直しに時間がかかってな…まだ寝ている…どうしても気になるなら後日…またここに来い。」
「はい…」
「さて、今日は平日だが、学校には行けそうか?」
「はい…あっ、でも制服「お前の制服は今、洗濯している所だ。取り敢えず一旦鞄持って帰れ。お前が今日の授業で使う教科書やら持ってここに戻って来る頃には着られる状態の筈だ」はい…何から何まですみません…」
「だから気にするな。それよりお前の家は近くだし、時間もまだ多少余裕あるが一応急いだ方が良いぞ?」
「はい…行って来ます…」