「取り敢えず状況を教えてくれ。何があった?」
『…私が見たのはあの子が悲鳴を上げて、過呼吸を起こして倒れたところで詳しくは知らないわ…一応その場にいたあの子の友人に経緯を聞いてるけど…聞く?』
「ああ。」
『…その友人の子とあの子が廊下で話してる所に彼女に用があった男子が後ろから肩を叩いたの。彼女が後ろを振り向いて…悲鳴を上げて、そこから過呼吸を起こしたそうよ。……考えるまでも無く自分の身体に触れたのが男だった事にショックを受けたんでしょうね…ちなみに、何処ぞの変態と違ってその男子は比較的まともな方で、あの子とも割と話す仲だったそうよ。』
「成程な…」
『…親しい男子が軽く肩に触れただけで過呼吸起こして、倒れるなんてどう考えてもヤバいんだけど…あんた本当に確認したの?』
「…言い訳はしない。完全に私のミスだ…もっと話を聞くべきだった…」
『私に対して非を認めても仕方無いわね。ところでこれからあの子の親が迎えに来るそうだけど…あんたこっちに来るわよね?まさかとは思うけど、又聞きの私に事情を説明させるつもりじゃないわよね?』
「…分かっている、そう詰るな…幸い今日は家にいるからこれから向かう…そう時間はかからない筈だ…」
『…そっ。じゃあ早く頼むわね。』
電話が切れる。
「…さて、聞こえていたか?」
「一応…ね。」
「これから私は学園に向かう…悪いがオーフィスの事を頼む。」
「分かったわ…」
黒歌の顔色が良くないな…
「そう気にするな、別にお前のせいじゃ無い。」
「でも…昨夜私がもう少しあの子の相手が出来ていたら「それは違うな」え?」
「そもそも私が助けるのを躊躇しなかったら、あいつが傷つく事も無かった……悪いのは私だ…オーフィスの事を気にし過ぎた。」
「でも…それは仕方無「だから…違うんだ」え?」
「……あの時もしオーフィスが背中を押してくれなかったら……私は多分あいつを見捨てていた…」
「でも…迷ったんでしょ?」
「そもそも迷う事自体が問題だと思わないか?あの時私が見たのは知り合いが路地裏に押し込まれる光景だけだ…だが、男の方がそういう目的なのは明らかだった…一刻も早く動かないといけないあの状況で…私は動けなかった……迷ってしまった。」
「テレサ…」
「すまんな…とにかくだ、気にするな…悪いのは私であってお前じゃない…寧ろ…お前はあの時良くやっていた…私じゃ、とてもあんな接し方は出来無いからな…さて、それじゃあ出かける用意をして来る。」
私は立ち上がると部屋に向かった。