「「よろしくお願いします!」」
「…良いから早くかかって来い…敵は律儀に挨拶を返すとは限らないんだからな…」
渦の団の連中がやって来る前提の話である以上、駒王町を守る事になるリアスたちのレベルアップは必須だ…だから…
「「ハアッ!」」
「…甘い。」
聖魔剣の木場とデュランダルのゼノヴィアの相手を私が務めているのは仕方無い事なのだ……と、自分に言い聞かせなければ納得出来んな、この状況は…
結局サーゼクスと話した後も朝まで起きていた私の部屋にやって来たのがこの二人だ…意外な組み合わせ、と思えば二人は使う武器の共通点故か、会った当初は木場が一方的にゼノヴィアに敵意を向けていた物の、改めて話してみればウマの合う所も有ったらしく、最近は二人で模擬戦をする事も多いのだとか。
それは良いが、よりにもよってまさか二人で挑みに来るとは…
人間界で戦う訳にも行かない私たちは仕方無くサーゼクスに連絡を取り、冥界で戦っている…
「…お前らの気質的に仕方無いんだろうが、毎回正面から突っ込むのは止めろ…」
「しかし…」
「分かっています…でも僕たちは…」
「実力が拮抗してるならまだしも、私に傷一つ着けられてないぞ?二人がかりでそれなんだからもう少し考えろ…」
二人は自分の今の実力が知りたくて来たらしいが…これではもう続ける理由も無い。
「…やる気が無いなら私は帰りたいんだが「もう一度!もう一度だけお願いします!」ハア…」
他の連中を連れて来れなかったからな、この場には私たち三人と、グレイフィアしかいない。
「グレイフィア、時間は大丈夫か?」
「私は問題無いけど…貴女は良いのかしら?」
「さて…あいつらが何を考えてるか分からんからな…早く戻りたいのが本音だが…」
今日はセラフォルーが休みだった…にも関わらず私だけ冥界に行くと言えば当然ごねたからな…私としても最近は余り構ってやれなかったし、襲われるよりマシだから今日一日は相手してやろうと思っていたのだが…
「…分かった。もう一度だけ相手してやるから、今度はもっと真面目にやれ。」
「「はい!」」
……返事は良いんだけどな…全く…
「テレサさん!私の剣はどうでしょうか!?少しは強くなりましたか!?」
そう話しかけて来るゼノヴィアに若干引きつつも答えてやる事にする。
「…良くなっては来ているな。今までお前はデュランダルに振り回されるばかりで使いこなせていなかったが、今はある程度お前の手の内にある様だ…木場との戦いはお前にとって得る物があった様だな?」
「はい!」
ゼノヴィアの質問に答えつつも私は今の状況の異常さについて考えてしまう…絶対に折れず、傷一つ着かない聖剣デュランダルに問題無く打ち込める私の持つ大剣について…ゼノヴィアと戦うのは初めてじゃないのに、どうしても毎回気になってしまう…
「っ!やはり止められますか…」
「…いや、直前まで気付けなかった…お前も殺気を消せる様にはなっている様だな…」
ゼノヴィアに気を取られる私の隙を突こうとして突き出された魔剣を腕で受け止める…いや、何だかんだ本当に成長はしてるんだよなこいつら…まだまだ負けてやれないが。
「…そろそろ私も帰りたいからな。お前ら二人の最大の一撃を打って来い。」
「え…」
「でも、それだと…」
「良いからやれ…それで私が負けるならそれまでという事さ。」
さて、後は二人次第か…何を見せてくれるんだ?