「ちなみにフェニックスの涙の備蓄量についてだが…」
「…貴女の想像してる通りよ…そろそろ置く所が無くなるわ…」
そんなに余ってるのか…
「あいつら一応、普段から修行を怠ってる訳じゃないんだろう?減らないのか?」
「毎月、まるで戦争でもやれって言ってるのかって位には送られて来るわね…」
「確かにそれなら減らないだろうな…」
普段から組んでる連中が実戦形式で本気のつもりで戦ったとしても所詮は模擬戦の域を出ない。真剣を使ったとしてもお互いの動きを知り尽くしている以上、それ程酷い怪我も負わないだろうな…フェニックスの涙は体力の回復には使えないから怪我をしなければ使う事は無い。
「渦の団が来る事を「想定したとしても多いわ…そもそも今現在置く所が無くなりつつあるんだから、一旦供給量を減らすか止めてもらわないと処分するしか無くなるわ」…それは勿体無いな…」
フェニックスの涙は悪魔以外にも効果があり、致命傷であっても治す事が可能でかなりの高値で取引される事もあるらしいからな…
「売ったらどうだ?言いたくは無いが決してグレモリー家の財政状況はよろしくないんだろう?」
「……一応、グレモリー家は貴女に援助してるんだけど。」
「それは分かってるさ…だからフェニックスの涙を売ったら良いんじゃないかと言っている。」
「…ふぅ。そうね、一応貴女の手柄だしね…正直に言うと売ってるわよ?と言っても口の固くて、まともな家の悪魔にしか売れないから…」
「余剰分もそんなに売れないか…考えてみれば他の種族には迂闊に話を持って行けないだろうしな…」
「そうよ。だから今屋敷にはフェニックスの涙が有り余ってるの。」
「分かったよ、今度ライザーに会った時に供給量を減らす様に言っておく。」
「お願いね?まあ、戦いが始まったら足りなくなるかもしれないけど…」
「なら、戦いの時に優先的に回す様に…は無理か。」
「フェニックス家とは今も友好関係にあるわ…戦いが始まったら戦闘の協力要請を出すだろうし、ゴタつくだろうから最悪それどころじゃないかも…」
「平時に有り余る程あるのに有事の際に足りなくなったらさすがに笑えないな…」
「そもそも笑い事じゃないけどね…救いがあるとしたら長期保存が利くこと位かしら…」
「あの時はろくに考えないで言ってしまったが大量にあれば良いというものでも無いんだな…」
「当然でしょう?何だってそうじゃない?」
「…確かに。まあ、ライザーには言っておく。」
「本当に早目にお願いね?そろそろ倉庫が一杯だから。」
「…今更だがもっと前に私に言えば良かったんじゃないか?そうでなくてもフェニックス家に直接言えば「ゴタゴタして言う暇が無かったのよ」…悪かった。」
良く考えたら普段から割と私が迷惑をかけていた事に気付く…やれやれ…近い内にライザーに会わないとな。全く…面倒だ。