『テレサ?いるのかな?』
ドアの向こうからノックとサーゼクスの声が聞こえた。
「ああ、いる。ちょっと待ってろ。」
私は手で弄んでいたグラスの中身を飲み干し、次に半端に残っていた瓶に口を着けそれも飲み干すとベッドに向かった。
「…む?」
ベッドで眠っているグレイフィアを見た瞬間違和感を感じたが、今はサーゼクスを待たせている…私は横たわるグレイフィアの身体の下に手を差し込み、抱き上げた。
「っ…」
声が漏れる…グレイフィアの身体からは女性特有の柔らかさを感じたが、それ以上に思った事があった…重い…私が抱き抱えた女なんてそうはいないが、一般的に女はこうも重いのか?正直、黒歌や朱乃…それにセラフォルーよりも重く感じるのだが…別に持ってられない重さでもないから良いが。グレイフィアを抱き抱えた私はドアに向かい、開ける。
「…やあ。」
「……」
思った以上に疲れた顔をしたサーゼクスを見て言葉を失ってしまう…ふむ、これからは余り苦労をかけさせないようにしたい所だが…オーフィスの問題が片付くまではそうも行かないか…
「ほれ、お前の嫁だ…どうした?」
抱き抱えたグレイフィアをサーゼクスに差し出すが受け取ろうとしない…おいおい…
「…おい?何してる?早く受け取れ。」
「……っ…あー…すまない、思った以上に絵になる光景だったのでね…見惚れてしまっていた…」
「…自分の嫁を同性とはいえ、他人に抱かせてアホなこと抜かしてるんじゃない。さっさと受け取れ…ただでさえおも…痛…」
重いと言おうとした私の腕に痛みが走る…
「どうしたんだい?」
「…いや、何でも無い…早く受け取れ。」
「ああ…」
漸く両腕を伸ばしたサーゼクスに引き渡す…グレイフィアはサーゼクスの腕の中に収まった。
「…ふぅ。迷惑をかけたね、本当にすま「さっきも言ったろ。謝るな。」いや、しかし…」
「だから、謝るならグレイフィアにだ…そうだな、今日はもう仕事は中断してこのままグレイフィアの相手をしてやると良い。」
「…しかし、彼女は眠っているが「グレイフィアの不満の理由は欲求不満だ」…そう、なのか…?」
「我慢してるのはお前だけじゃないって事さ…お前だって相当溜まってるんだろう?この後はそのまま襲ってしまえ、こいつもそれを望んでいる。」
そう言いながら私はサーゼクスの顔から視線を落とし、サーゼクスの腕の中にいるグレイフィアを見た。
……そこにはカタカタと小刻みに震えつつも、頬を赤く染め、口角が上がり涎を垂らした雌がいた…そう、グレイフィアは既に起きていた。はっきり確信したのはさっき重いと言おうとした時だが、サーゼクスが来てこいつを確認した時の違和感…恐くあの時点でもう起きていたのだろうな…と言うかここまで顕著な反応を示してるのにサーゼクスは気付かないのか…?
「しかし…眠ったままの彼女を「だから問題無い…こいつも限界なんだ…本当はヤりまくりたくて仕方無い筈だ…」……」
少なくともこのグレイフィアの様子に気付けば私が言ってるのが私の勘違いでは無いのは分かる筈だがな…
「まぁ、とにかくだ…この後こいつをどうするのかは勝手だが、先に私を人間界に帰してくれよ?」
「…ああ、そうだね…分かってるよ…それじゃあ「ちょっと待て。」ん?」
私は部屋に戻ると、戸棚を開けて中の瓶を何本か取り出した。良し、行くか。
「もう良いぞ。」
「テレサ…それは?」
「こいつの酒だよ…今日は久々にセラフォルーが休みだったからな、本当はオーフィスとセットと言う形にはなるが、一日相手をしてやる予定だったんだ…このままだと予定はパーになりそうだけどな…」
時計を見る限り、そろそろ日が暮れそうだ…休みが続くなら良いが、残念ながら明日からまたセラフォルーは仕事なのだ…
「木場とゼノヴィアの相手をしたらすぐ帰るつもりだった…グレイフィアとの一件は予定外だからな…これぐらいの報酬は貰ってもバチは当たらんだろう…と言うか、このまま土産も無しに帰ったら私がタダじゃ済まない。」
私がそう言うとまたグレイフィアに反応があった。
……小刻みに震えるのは同じだが、口は真一文字に引き結んでいる…どうも怒っているようだな…ま、ここまでお膳立てしてやったんだ、感謝こそされ、怒られる言われは無いと思うんだがな、全く…