「チィ…!」
くの字に身体を曲げ、吹っ飛ばされていた奴は燃えた足を振り下ろし、熱で溶けた地面に足を差し込み、止まった。
「おー…良く耐えたな。」
「痛てぇな…」
腹を擦りながら足を抜き、立ち上がる。
「やはりお前は打撃の方が効果は有りそうだな?」
「ああ…つっても普通はそんなに効かないんだがな…やっぱあんたとイッセーの拳は重たいぜ…」
「おいおい…未熟なあいつと比べるな…私はカウンターで打ち込んだだけでろくに力も入れてないぞ?」
「こっちは割とギリギリだったのにな…」
「案外痛そうだな、止めるか?」
「まさか!勝負はこれからだぜ!」
一気に私に肉薄したライザーの足が私の頭まで振り上げられる…
首を後ろに曲げて躱そうとしたが…間に合わず掠って顔が少し切れた…右手で足を掴み左の肘を落とし、下から右膝を当て、挟み…足を圧し折る…足自体にしか火を纏っておらず脛はそのままだから楽だな…
「ぐおおおお…!?」
「うるさいな。」
「ぶごっ!?」
鼻を殴り、そのまま拳を引かずに押し付け、地面に叩き付けた。
「痛ってーな…うお!?」
踵を振り下ろすと転がって避け、立ち上がった。
「あっぶねー…」
「そこは受けてくれないか?興が冷める…」
「ふぅ…無茶言うなよ…あんなの食らったらすぐ落ちちまうじゃないか…もっと楽しませてくれよ?」
そう言って奴が顔に手を翳すと鼻が炎に包まれる…やがて炎が消えると奴の鼻は綺麗に治っていた。私は溜め息を吐いた…
「全く…ほんっとうに!面倒な身体だな!?」
「便利だろ?あんたは治さないのか?俺がやったとは言え、そのままだと綺麗な顔が台無しだ…」
「ほう…顔に火傷を負った私は嫌だと?」
「まさか。そのままが良いならそうしなよ。俺はどんなあんたでも愛してるさ!」
「そうかい!」
「もう…また顔に傷作って…!」
「そう言うな黒歌、どうせ私たちは治るからな…多少の傷は気にならないのさ。」
ま、最初のアレは私も無茶だったとは思うが…多分思ったより早くて対応が遅れたんだろう…本当は綺麗に躱してカウンターを叩き込むつもりだったんだろうな…
「女性なんだからもう少し気にしてよテレーズ!」
「おいおい…私に八つ当たりするな…私は自分の事をちゃんと省みてるぞ?」
私は大きな腹を撫でながら言ってやった。
「…気にしてるなら…何でこっちなの…?モニター観戦だって出来たのに。」
「今日は妙に調子が良くてな…ま、多分私よりもコイツが見たいんだろうさ…」
「コイツって貴女の「テレーズと私の、よ…黒歌。」そう、だったわね…」
「ま、そういう事だ…何かあったらオフィーリアもいるしな…お前が気にする事は無い。」
私は前に向き直る…ちょうどライザーがあいつに投げられて、地面に叩き付けられたところだった…あいつが顔に向かって振り下ろした足をライザーが掴み、地面に引き倒す…
「結構やるじゃない、ライザー。」
横のオフィーリアがそう言う…
「十五回も負ければさすがにあいつの動きは見えて来るだろうさ…」
「そうね、でも貴女は自分の半身が負けると思ってないわね…」
「半身じゃない…私は居候だっただけさ…それに、お前だってあいつが勝つと思ってるだろ?」
「当然!あの程度で負けられたらたたじゃおかないわよ。」
「フッ…私も同感だな。」