「結局、白音には言うのにクレアに言わないのね…」
「そうジト目を向けるなよ…さっきも言った通り何れは言うさ…」
小猫が部屋に入ってすぐに黒歌からそう詰られた…
「そう言えば朱乃ちゃんとセラフォルーにはあっさり言ったわね…」
「セラフォルーはアレで口の固い方だし、サーゼクスが知ってる以上、何処かで知っても可笑しく無いからな…最も、あいつも悪戯に口に出す事は無いだろうがな…」
「朱乃ちゃんは?」
「……お前やセラフォルーが知ってて、自分が知らないってなると後で知られた時が絶対にめんどくさい…」
「あー…」
その言葉と共に黒歌がこめかみを押さえた。
「あいつ、学園が休みだと割と家にいるよな?私がいない時は家でどうしてる?」
「…基本的には良い子よ…基本的には、ね…」
黒歌の疲れた顔がそれ以上聞かないでくれと、口にしなくても雄弁に語っていた。
「ま、言いたくないなら良い…」
「そうして。」
そう言って口を閉じ、黒歌が私を見詰めて来る…何だ…?
「どうした?お前も寒いだろ?戻ったらどうだ?」
「あんたは戻らないの?」
「ああ。もう少しいる…飯もまだ出来無いだろうしな。」
「…偉そうに言ってないでたまにはあんたもやったら…?」
ふむ…
「感謝してないわけじゃないさ…そうだな、明日の担当はお前だったか?」
「え?そうだけど…」
「明日の朝と夜は代わってやろう。」
「……」
「どうした?」
「いや、別に私は有難いから良いけど…本当に良いの?」
「自分から言ったのに撤回はしないさ、最も人数も多いし、私では簡単な物しか作れないからあまり期待されても困るが。」
「…そんな事気にしなくて良いわよ。」
「ん?」
「あんたが作ってくれるってだけで皆喜ぶわよ。」
「そうなのか?」
「ええ、もちろん私もね。」
「そうか…取り敢えずそろそろ部屋に入れよ。」
「…ふぅ、分かったわよ…あんたも早く戻って来るのよ?」
「ああ。」
「ふぅ。」
何となくその場に座り込み、息を吐く…
「疲れた…」
正直今日のアレは心臓に悪過ぎた…まさかまた今になってクレイモアに会うとはな…しかも、よりによってオフィーリアと因縁ある相手が…いや、良い方に考えるか…あの性格だ…オフィーリアと因縁ある相手なら腐る程居そうだし、たまたま原作知識で知っていた相手だから対処も出来た…ましてやミリアは性格そのものはかなり真っ当だ…仮にオフィーリアより危険な相手だったら…
「仮定に意味は無いか…」
と言うかこれ以上考えたくない…ミリア以外の二人は性格的に厄介だし、下手すると増えそうだ…それは非常に困る…ま、この程度で済んで良かったと思うべきなんだろうな…ふぅ。さて、戻るか。
「よいしょ…ん?…フッ、私もすっかり緩くなってしまったな。」
私は立ち上がると部屋のドアを開けて中に入った。