遊園地そのものは楽しめなくても家族と共に出かけるのは…その…ま、何だかんだ楽しいものだ……昔の私ならこんな事を思い浮かべる事すら無いどころか、時空を超えて全力で私を殺しに来そうだな…やれやれ…
最も本当にそんな事が起きようものなら全力で嘲笑ってやるがな…どう強がったところで本当は寂しいに決まってるんだからな。
さて、問題はこの後か…ミリアと会ったのも割と面倒事だったが、奴が性格はまともなおかげで何とかはなった…だが、連れ二人は面倒通り越して厄介だ…ミリアが会った事を知れば大人しくしているとは思えん…何を仕掛けて来るか。
「テレサ!朝だよ!起きてる!?」
「ああ。」
……今考えても仕方無いか。今日は出勤しないとな…昨日はオフィーリアが一緒に来てしまったから書類が…やれやれ…面倒になって来たな…全く…
もちろん仮病など使えないから、私は起き上がり部屋を出た。
学園までの道を緩慢に足を動かして進む…相変わらず、睡眠が上手く取れないのか欠伸が口をつく…軽く額を小突き、眠気を覚ます…こんな状態で歩いていたら何か起きても対応出来…!?
「…んなっ!?」
横から突き出されたナイフを持った手を首を後ろに逸らして躱し、その腕を叩き落とすと、相手がいるだろう私の横に肘を突き込む。
「おお…!?スッゲェ…はっや…」
その肘はそいつの突き出した掌に止められていた。
「…世辞はいらん。…ヘレンだな?」
「…正解。何で分かった?」
「ミリアから聞いてないのか?…私は…お前たちの事を良く知っているよ…そして…」
私の後頭部に向かって来ていた拳をヘレンを攻撃したのとは逆の手を肩越しに伸ばし、掌で受け止み、掴む…
「ヘレンがしくじっても、お前が来る…それも、分かっている…デネブ。」
「強いな、本当にあのテレサを相手にしてるかの様だ…」
「…私は弱いよ?…それに私はただのイミテーションだ。」
二人と言葉を交わしつつ、私は二人の姿を観察する…ミリアは現代の衣服を着て、銀髪はそのままに、カラーコンタクトをしていたが…こいつらはコートを羽織って、フードをしっかりと被っている…まさかとは思うが…
「そのコートの下…戦士の鎧をそのまま纏ってるとか言わないよな?」
「あ~?だってよ、仕方ねぇじゃん?アザゼルがまだあたしらの服を用意してくんなかったんだからさぁ…」
「……それで?何か私に用か?」
「…お前の実力を知りたい…と、言ったら?」
「…この世界で剣を使った戦いがしたいなら…基本的に然るべき場を設けて貰わなければ無理だ…ふぅ…とは言え…そう言われてもお前らどうせ帰る気は無いんだろう?話なら付き合ってやる… ちょっと待ってろ。」
私は二人から離れると携帯を取り出した。