ネタ帳   作:三和

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高橋家の末っ子

カリカリとシャープペンでノートに書付ける音が部屋に響く…うん…そろそろ切り上げて寝るかな…そんな事を考えていたら部屋のドアが叩かれた…この聞き逃しそうな丁寧なノックの仕方…涼介兄か?

 

「えと、もしかして涼介兄?」

 

「…ああ、俺だ…入って良いか、洋介?」

 

「良いよ。そろそろ寝ようとしてたし…」

 

ドアが開かれ、涼介兄が部屋に入って来る…

 

「何か用?」

 

「…そうだな、勉強の方は順調か?」

 

「まずまずってとこ。それで、何か用?」

 

「…いや何、今夜俺たちは走りに行くが、お前は来るか?」

 

「あのさぁ涼介兄?免許こそ取ったけど、俺はこれでも受験生だよ?」

 

「フッ…お前なら少し羽目を外しても問題無いだろう。大体、前に無免許で勝手に人の車持ち出して走りに行ったのは何処の誰だ?」

 

「!…あっ、あれは若気の至りって言うか何ていうか…もっ、もう許してくれよ涼介兄!?もう二年も前の話だし、バイトしてちゃんとガソリン代だって出しただろう…!?」

 

「…まだ二年だろう?それに、あの時にも言ったが俺は最初から怒ってはいない。」

 

「なら…何で…」

 

「お前には走りの才能が有るからだ。」

 

「…涼介兄まで…啓介兄みたいな事言うの止めてくれよ…アレは本当にただのマグレだよ…あの時だって…まさか本当にアレに啓介兄が乗ってるなんて思いもしなかったし…」

 

「嘘を言うな、ナンバーは見えた筈だろう?」

 

「…抜いてから…ドライバーウィンドウに目が行って初めて気付いたんだよ…その後、驚いた啓介兄がハンドル操作ミスって危うく事故りかけるなんてのも想定してなかったし、怒られるかと思ったら…『もっかい走るぞ』なんて詰め寄られるし…」

 

「断りつつも…微妙に乗り気だったとも啓介から聞いてるがな。」

 

「だから言ってるじゃんか。俺も若かったんだよ…」

 

「…で?結局来るのか来ないのか?」

 

「行かないって。俺は受験生なんだから…」

 

「……そうか、分かった…」

 

涼介兄が背を向けて部屋を出て「洋介。」

 

「…何?」

 

「俺は待っている…気が向いたら、いつでも声をかけろ。」

 

ドアが閉められる…

 

「……無理だって涼介兄…怖いから…嫌だ…」

 

歳の離れた兄二人が夢中になる愛車で峠を攻めるという事…どうしても興味があったけど…二人の会話には入って行けなかった…二人は俺の事を構ってはくれたけど…それでも、俺だってその世界を知りたかった…ある日どうしても我慢出来無くて…涼介兄が車を使わず出かけたあの日…俺は涼介兄の車に乗った…涼介兄の持ってる本を読んだりしてたから運転の仕方は何となく分かったけど…初めは真っ直ぐ走るのすら難しくて…スピードなんて出せなくて…でも気付いたら…自分でもコレかな?と思える走りが出来てた…

 

……そうして走っている内に見えて来た黄色い車の背中…気付いたらギアも入れて、クラッチ踏んで…アクセル踏み込んで…スピードを上げて追い掛けてた…見覚えの有るその車…俺はそれに追い付きたくて…追い掛けて…そのまま追い抜いた…そして見えた啓介兄の驚いた顔…思わず逃げる様にスピードを上げた…

 

怖かった…後ろから追ってくる啓介兄の車が…啓介兄が…ただただ怖くて…怖くて怖くてたまらなかった…

 

一気に走り抜けた時見えて来たたくさんの人たちを尻目に走り切って…俺は家に帰って来た…

 

それから少しして部屋に駆け込んで来た…興奮した啓介兄も怖くて…家を飛び出した…

 

その後…俺を探しに来てくれた涼介兄の話もろくに聞かず必死で弁解だけした…『バイトしてガソリン代は払う』と約束して…

 

要領が悪くて先輩や店長に怒られながら貰った金でガソリン代を涼介兄に払った…その後もバイトを続けて…少し前に免許を取って自分の車も買った…でも…それから一度も車には乗ってない…あの時の事が頭を過って…走れなかった…

 

単なる移動の足としても使う気になれなかった…勝手に俺の車を兄貴たちが色々弄ってるのは知ってる…

 

兄貴たちが俺に走る事を望んでるのは分かってる…でも…!

 

「俺は走りたくない…!絶対嫌だ…!もう…あんなのは嫌だ…!」




車の知識が浅いので続きが書けません
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