溜まっていた書類を片付けているうちに昼になったので弁当を出そうとして気付く…しまった、自分の分を用意していなかった…ふぅ、仕方無いか…
「あれ?テレサさん?どうしたんですか?」
立ち上がったところでそう声をかけられた。今でこそオカルト研究部の連中は来ないが、何が楽しいのか他の生徒がわざわざローテーション組んでこの部屋にやって来るんだよな…オフィーリアも何だかんだ面倒見は良いからキツく注意もせんし…
「弁当を忘れてな、何処かで食べて来る。」
そう言うと部屋にいた三人の生徒が顔を見合わせる…何だ?
「私たちのお弁当分けましょうか?」
「いや、良い…お前ら昼の量減らすと辛いだろ?私の事は気にするな、じゃあな。」
「あ…」
部屋を出る直前、女子生徒たちの少し落ち込んだ顔とオフィーリアのしかめっ面が目に入った…やれやれ…
学園を出て近くのファミレスに入…った瞬間、回れ右して帰りたくなったが、向こうにはどうせバレるし、私は嫌々ながらも足を動かす…若い女性の店員が声をかけて来る…どうも昼時と言う事もあり、少々人数が多いと…そこまで聞いたところで私は口を挟んだ。
「いや…知り合いがいるから相席させて貰うよ。」
店の奥にはなるがここから見える位置なので私が座ったら水を持って来て欲しいとだけ告げてそのテーブルまで向かう…
「…今朝ぶりだな?」
「…テレサか。」
私は席に座ってパスタを食べていたミリアに声をかけた。
「食事の邪魔をして申し訳無いが、店が混んでるそうだ…相席させて貰っても構わないか?」
「ああ。」
私はミリアの向かいに座ろうとしたところで気付く…水の入ったコップが二つ…?
「連れがいるのか?」
「…ああ。アザゼルがな。」
「なるほどな。」
ミリアの向かいにはコップが置かれている…私は横にズレて座る事にした。
「ミリア、戻ったぜ…ん?」
「よう。トイレか?少し長かったんじゃないか?」
「まぁな、ところでどうした?お前平日のこの時間は何時も弁当だと言ってなかったか?」
「…今日は家族の分を私が作ったんだが、うっかり自分の分を用意するのを忘れてしまってね…」
「そりゃドジな話だな…で、ここに食いに来たと。」
「そういう事だ。にしてもお前ら二人だけか?ヘレンとデネブはどうした?」
「あの二人なら自主謹慎だ。つっても一応誘ったんだけどな…」
「あれであの二人は根は善良だ、少なくともミリアとお前に迷惑をかけたと感じたんだろうさ。」
「…私たちの事を客観的に知ってるお前がそう言うと、何と言うか…説得力があるな。」
「おっと。あの二人には私がそう言ってたと言わないでくれよ?」
「分かっているよ。」
「…ふぅ。そろそろ引き上げようぜ、ミリア。」
「ああ。」
ミリアとアザゼルが席を立つ。
「じゃあな……今度は時間のある時にゆっくり会おうぜ。」
「時間があったらな。」
そう言ってアザゼルが背を向けて歩いて行く。
「…忠告するが「ん?」程々にしておいた方が良いぞ。」
アザゼルとの関係の話か。
「分かっているさ。」
「なら良い。それじゃあまた…」
「ああ、じゃあな。」