「…お~い!」
「ん?ラティ?どうした?今日はやけに早起きじゃないか。」
俺は今さっき倒したモンスターの血が着いた剣を軽く振り血を払い、背中の鞘にしまう。
「…それで何か用か?そろそろ出勤の時間だろ?」
「…キリト、俺と戦ってくれないか?」
「…は?どうしたんだ、急に?」
「ほら、二、三日前に盗賊が攻めて来たじゃないか?」
「…そうだな。人数は結構いたけど幸い実力は大したこと無かったから何とか追い返せたな。」
……殺さずに済んで本当に良かった。…ラティたちはさすがに躊躇うだろうし、俺だって万が一の時は町のために殺る覚悟はあるけど好き好んで人殺しをしたいわけじゃない。……この町の人たちは皆優しいから絶対殺した後に一悶着あるだろうし…。
「…お前、あの時剣を二本使ってただろ?」
「…そう言えば実際に使ってるのを見せるのは初めてだったか。」
あの時俺は盗賊の頭と戦ったが、子分たちと違いこっちは盗賊にしては思ったより手練だったからな…久々に二刀流で戦った。…それにしてもあの乱戦状況で俺の方を気にする余裕があったのか…
「…つまりお前は二刀流の俺と戦いたいと。」
「ああ!」
「……」
ラティの剣は中々だ。実際、一刀流の俺とは互角の実力を持ってる。 エダール剣技…俺もラティの親父さんから習えば良かったかな?…まあそれはともかくだ…
「…ダメか?」
「…まあ別に構わないけど。」
問題は無い筈、だ。ただ…
「今からか?」
「ああ!早く始めようぜ!」
あー…こりゃ何言っても無駄だな…絶対にミリーに怒られるな…やれやれ。…俺は背中の剣を抜いた。
「…で、二人が遅刻して来た上に傷だらけなのはそれが理由…?」
「「はい。ごめんなさい…。」」
俺たちは今二人して正座させられミリーから説教を食らっている…こら、ドーン爆笑するな。…あっ…
「…キリトはまだ余裕そうだね。プレス!」
「…ぐぅっ!?」
俺の膝の上に三つ目の重石が乗った。…ちょ!?ホント地味にキツイぞこれ!?
「…二人とも?今日はしばらくそのままね?」
「「え!?嘘だろ!?」」
「行くわよ、ドーン。」
「…頑張れよ二人とも。」
「「待ってくれ!?」」
結局俺たちは夕方まで放置された…。
「…で?結局どっちが勝ったんだよ?」
「…引き分「キリト、お前手抜いてただろ?」…やっぱ分かるか?」
ラティの家にて反省会…と言っても今日はいつも通りこれといって事件も無かったから必然的に俺たちの話になる…。
「…へぇ。二刀流のお前がそんなに強いとはね。今度の休みに俺とも戦ってくれよ?」
「ちょっとドーン!?何言ってるの!?」
「ミリー目くじら立てんなって。元々怖い顔が更に怖い顔になるぞ?」
「何ですって!?」
ドーン…お前なぁ…。
「…キリト、早く止めよう。母さんがキレそうだ…。」
「…それは一大事だな、さっさと止めるか。」
俺たちはラティの家で暴れ始めた二人の仲裁に入った。