「遅いわよキリト!」
合流してすぐ文句を言うミリー…いや、お前らが正座させたから歩けないんだろうに…と言う言葉は飲み込んだ…また正座させられたくは無い。
「…取り敢えずもう良いかしら?」
「…あっ、ええ。大丈夫です。ありがとうございました。」
そろそろ歩けるようにもなったので女性…イリヤさんから離れる…さっき自己紹介はされたが…あっ、そういや俺たちの名前…
「そう言えばまだ君たちの名前を聞いて無かったな。」
「ラティクス・ファーレンスです。ラティと呼んでください。」
「ミリー・キリートです。」
さて、次は俺かな。
「キリト・ツーベルクです。」
…この名乗りをするのは久しぶりだな…クラトス村には基本余所者は来ないからな…クール村の住人は大体知ってるし。…ラティの親父さんに家に連れてこられた時俺は咄嗟に浮かんだこの名を名乗った…アリス…怒らないよな…許してくれ…他にしっくりくる名前が無かったんだよ…
「…ドーン・マルトー…」
ドーン…辛そうだな…
「艦長、彼の容態が悪化しています。」
「うむ、急ごう。」
その後何人かここの乗組員らしき人たちが担架を持ってくると手袋越しにドーンを乗せ運んで行く。俺たちはそれに着いていく。
「これは?」
「驚くのも無理は無いけどこれが私たちの医療手段なの。」
人一人が入る大きなカプセルの中にベッド…今、そこにドーンは寝かされている…メデュキュボイドを思い出してしまった…更に嘗て俺の最愛の人アスナが友誼を結び、その後短い生涯を終えた少女の事も頭に過ぎる…まだドーンが死ぬなんて決まっちゃいない…!
「…さて、ここにいても仕方無いだろう。艦の中を見て回ったらどうだ?」
「艦長、それは未開惑星保護条約に違反します」
「今更それも無いだろう?私はブリッジに行っている。君が案内してやれ。」
「あっ!ちょっと…!もう!」
ラティたちは彼女に着いていくようだが俺は…
「…俺は残「気持ちは分かるけど貴方がいても今は何も出来ないし邪魔になるわ。特に貴方はここに来る前から酷い顔してるわよ?…気晴らしも必要よ」…分かりました…」
艦の中を見て回る…ラティたちはドーンの手前少し抑えているようだが何処も彼処も初めて見るものばかりで興奮が抑えられないようだ…
「…退屈?」
「…いえ、そんな事は…」
「…良いのよ。元々ここは民間向けの施設じゃないから…娯楽も少ないしそう思っても仕方無いわ…本音を言えば私もそう思うしね。」
「…そうですか…」
「そもそも貴方は友人が心配で心配で仕方無いって感じね…」
「…俺にとっては友人に留まりません。家族の一人です…。」
「…そう。でも貴方がそんな顔してたらダメよ。彼のためにもまずは貴方が、ね。」
「…分かってますよ。」
どうしても不吉な予感は拭えない。こういう時の俺の予感は何時も当たってしまう…