「この病気を治療するのは地球の現代医学では無理です。」
…そうか…。ミリーが掴みかかっているが俺は何となく予想してたから別に驚きは無い。薄情と言われそうだが、無理なものは無理という理屈は分かる。…もちろん、理解は出来ないけどな。
結局の所ドーンを助けるにはこのウイルスの宿主である生物の血液が必要だとか…にしてもまさか石化しても戻せるとは思わなかったな…。まだ何とかなるかもしれない…!ん?警報!?
「未確認生物?」
「ありえん事だ。行ってみよう。」
俺たちは転移室に現れたという未確認生物の確認へ向かった。
「艦長、この生物です。」
「なっ、何だこれは!?」
「フェルウォームだ!」
「そっ、それは何だ!?」
「やっぱりメトークス山で卵がついていたんだ!」
これは…俺たちのせいか…くそっ!
「でも、それなら何故センサーが反応しなかったのでしょう…?」
「分からん。だがまずはこいつを片付けるのが先だな。」
「でもフェイザーが効きませんよ。」
「何!?そっ、そんな筈は!?」
こいつらは普通に剣で倒してたけど…まさか兵器が効かないとは思わなかったな…。
「俺たちに任せて下さい。」
「大丈夫か?」
「問題ありません。…ラティ、効率が悪い。二手に別れよう…ミリーは俺たちのフォローを頼んで良いか?」
「もう…また無茶言って…」
「…でも、確かにそれが良さそうだ。行くぞ、ミリー、キリト!」
フェルウォームは一体一なら特に問題は無い…が…
「…くっ…やっぱりソードスキルだけだとキツイな…。」
あの世界では絶大な威力を誇るソードスキルはここでは平凡な剣技と化す。ラティは今目に見える衝撃波を打ち出している…案外早くドーンどころか俺も超えそうだな。…何かユージオを思い出すよ…。
「…ふぅ。何とか倒したか…。」
かと言ってそうそう負けられない。…ラティたちの方を見てまだ終わってないのを確認し、少し優越感に浸る。…何時までこうしてられるかな…?
「…終わったか。」
「…危ない!」
イリヤさんの声を聞き、ラティの方を見ると背後からフェルウォームが…!
「ラティ!」
「キリト!?」
俺はラティを突き飛ばすとフェルウォームに…!
「んなっ!離せ!」
噛まれた!くそっ!離れない…!
「キリト!待ってろ!たあっ!」
ラティの一撃でフェルウォームが動かなくなる。…俺は顎を切り離すと腕を何とか外した。
「…キリト!大丈夫!?」
「…大丈夫だ。ラティが早かったおかげであまり酷くない。」
「…脅かさないでくれ。寿命が縮んだよ…。でも助けてくれてありがとな。」
「そっちもな、ラティ。」
「呑気にしてないの!また無茶して!ヒール!」
「…悪い悪い。次は気を付ける。」
「次があったら困るわよ!?」
「…消えた。」
「…えっ?」
「彼が噛まれて血が吹き出した時、あの生物が消えたんだ。」
何を言っているんだ…?
「えっ?いますよ、ほらここに?」
「なっ!何!?」
「そう。貴方たちには見えるのね…」
「…あの…どういう事ですか?」
「…ちょっとメディカルルームに行きましょう。」
何が起きてるのか分からないまま俺たちはドーンの所へ戻った。