「血液の組成があらゆる面で地球人と異なります。色々異なりますが、分かりやすい所では酸素を運ぶヘモグロビンもローク人は銅を基本に作られています。」
イリアさんが突然転送室を出て行ってメディカルルームに戻ると忙しそうにしていたドクターを捕まえて地球人とローク人で肉体に違いはあるかどうか聞いていた…ほとんど違いは無いようだがどうも血が違うらしい…ヘモグロビンか、基本元素は鉄だと記憶してたけど…確かに銅なら全然違うな…でも何で今こんな話を?
「何が言いたいんだ、イリア?」
「あくまで可能性ですが、ローク人を石にする事で何か得られるのではないかと。そうする事でロークに化学兵器を落とした理由を説明出来ますし。」
「何かとは?」
何だこの不快な感覚は…?
「例えば未知の物質とか…」
「まさか…兵器か?」
「可能性はあります。それもレーダーに映らない未知の物質…」
成程。さっき俺の血を浴びたフェルウォームが見えなくなったとロニキスさんは言っていた…。…ステルス機を作るには充分な素材か。ミサイルにコーティングすればそれも見えなくなる…。そうか確かに戦争したい連中からしたら喉から手が出る程欲しい物質だな、今のステルス技術がどの程度進んでるか分からないけど…俺の時代のステルス機と言えばレーダーには映らないけど目視は可能だし自分でレーダーを出せばその電波を探知され居場所がバレていた…。
これは有益な資源だろうな…だけど俺たちは…
「…ふざけるな!俺たちは人間だ!軍事資源じゃ「落ち着いて。あくまで可能性の話よ、それに私たちは貴方たちをそういう目で見てはいないわ」…すみません。取り乱しました…」
そうだ…イリアさんに言っても仕方の無い話だ…。でも、考えるだけで胸糞が悪い…!
「…もし、そうならロークから石像が何体か消えているはずだ。調べてみよう、私は艦橋に行く」
「ドクター、この血液が石化する事で出来る物質から兵器になりそうな物をシミュレートしてみてください。」
「組み合わせは何万通りですよ…?」
「やるしかないのよ。」
「分かりました。」
手伝います…と口が紡ぎそうになるのを堪える…そうだ…俺がこの場でそう口に出す事は出来ない…それに、ここの端末のほとんどに見覚えが無い。使い方が分からない以上足手まといになる…。…待つしかないか…。
「…俺が今の日常を退屈だなんて思ったから…。」
「日常に刺激があった方が充実感はあるだろうさ…俺だってそう思ってた…だからお前だけのせいじゃない。」
「…二人とも何言ってるの?そんなの関係あるわけないでしょ。」
だと良いんだけどな…あの時もそうだった…俺はあの頃、日常が退屈だと思ってたからゲームにハマった。…そして俺は…あの頃と変わってない。俺に力があったら…今度こそ仲間を守ろうとしてたのにな…やっぱり俺には無理なのか…?