「反省…してたりなんて、する?」
「…軽率な行動をとって迷惑をかけたと思ってはいます。ですが、あいつらを殴った事に関しては反省も後悔もしていません。」
「そう…」
俺は今、独房でイリアさんと会話していた…
入れられた理由はそんな大層な話じゃない。ミリーが戻って来た後、当面の間俺たちの仮住まいになるだろう地球に向かう途中…例のレゾニアが接触して来た…よりにもよってステルス機能を着けた艦でだ…俺たちが見えていた辺り、間違いなくローク人の石像を使ったんだろうな…既にその時点でカチンと来ていたが、一応向こうの目的は争う事では無いとの事で急遽予定外ではあったが会談の場を設ける事になった。
一室に入って来たそいつらの表情に罪悪感の色は見受けられなかったが、元々顔に出にくい人種という可能性もある…と言うか、人種が違う以上、単に俺が見分けられないだけかもしれない…だが、その顔を見ててイラつくのも確かだったので敢えてそいつらが口を開いてからはずっと目を閉じていた…そいつらの声に少しでも申し訳なさが漂っているならまだ良かった…向こうは惑星一つを消滅させる程の力を持つ第三勢力に脅されてやったとも言っているしな…
……だが、俺はそいつらに手を出した…そいつらに反省の色は無かった…石化病を治す方法が無いのはまだ良い…予想の範疇だ…納得は当然出来無いが…だが、そいつらの自分たちに罪が無いとも言いたげの口調に俺がキレた。
だからそいつらの顔が腫れ上がる程にぶん殴ってやった…そうだな…その後取り押さえられてこうして独房に押し込まれて…改めて周りに迷惑をかけた事に申し訳無いとは当然思ってる…だけど…!
「俺からしたら…殺して無いだけ連中には感謝して欲しいくらいなんですよ…ふぅ…あいつらは!自分たちが使った化学兵器のせいで!石化病の蔓延した惑星から来た俺の前で!自分たちは一ミリも悪くないと言った…!殺してやっても良かったんだ…!」
「……」
「そんな目で見ないでくださいよ。結局ただの八つ当たりでしか無いのは俺だって分かってますよ…」
「キリト君…」
「…で、結局何の用なんですか?もしかしてもう俺の処分でも決まりました?」
「……いいえ。貴方はもうここを出られるわ。」
「…何言ってるんですか…?アレだけの事をしでかしてそんな簡単には「良いから…貴方は今から私とここを出るの」…どういう事ですか?」
「何がかしら?」
「…貴女は今、とても焦ってる様に見える…何を企んでいるんですか?」
「…そうね…出てから教えるわ…とにかく早くここを出ないと…」
「…もしかして、正式な許可を取れてないんですか?」
「そうよ…でも今更でしょ?貴方だって分かってる筈…今、ここを出ないと当分貴方は出られないわよ?」
「…出てどうすれば良いんですか…俺にはもう何も出来無いんですよ「ドーン君を助けられるとしたら?」…何か…あるんですか、方法が?」
「確約は出来無いわ…でも、ここで燻ってるよりは貴方にとってはマシなんじゃない?」
「……どうするって言うんですか…ウイルスの保菌者がいたのは三百年も前…既に生存はしておらず、血清も作れない…方法なんて…ある訳が無い。」
「…いいえ。たった一つだけあるのよ…可能性が…もう時間が無いわ…一刻も早くここを出ましょう…」
「分かりました…」