独房を出てイリアさんと横並びで歩く…
「惑星ストリームにあるタイムゲートですか…どうしました…?」
「…艦長から貴方の反応を確かめる為、一応ストリームについて分かってる事は一通り説明する様に言われたんだけど…やっぱり貴方こっちの話を大体理解出来てるわね…」
「…寧ろ今更そんな必要ありました?」
俺はもう自分で宣言したのだ…そっちの話が理解出来てる、と。
「貴方の事を疑いたくは無いんだけど、ね…」
「…仮に俺がスパイとかだったら俺は一体何年前からローク人として生きてるんですかね…」
「それは…そうなんだけどね…でも、そもそもそんな返しが出来る時点でやっぱり貴方異質だわ…」
「……」
この人にはもう言っておくか…正直余り疑われると面倒だしな…それにこの人はやっぱり信用出来る…何せ今からこの人とこの人の上司のロニキスさんはクビどころか、最早犯罪者も同然の扱いを受けるのを覚悟で俺たちを助けようとしてくれている…聞けば俺を強引に外に出した事もそうだが、惑星ストリームはそもそも立ち入り禁止の上、そこに行くのに艦を持ち出す必要すらあるのだ…ここまでされたら俺はもうこの人たちを疑えない。
「イリアさん…」
「何かしら?」
「俺が今から言う話は全て真実です…」
「…そう…良いわ、言ってみて。」
「俺には…前世の記憶があります…俺は前世では地球人でした…」
「……あの…何を言って「俺の前世の名前は…桐ヶ谷和人と言います」え!?じゃあ貴方本当に!?」
そう。イリアさんたちの名前も、俺たちの名前も名前が先に来て、次にファミリーネームが来る…つまり、俺が知らない筈の日本人名を口に出来た時点でどれ程荒唐無稽でも信じざるを得ないのだ…
「…そう、それなら確かに私たちの話を理解出来てても不思議じゃないわね…」
「ええ。とは言え、恐らくそちらの方が文明レベル的には進んでるとは思いますけどね…」
「ちなみに向こうではいくつの時に亡くなったのか、聞いても良いかしら?」
「…正直に言うと具体的な歳は覚えて無いんですよね…でも、大往生だった筈ですよ?」
何せ、仮想世界で出来た娘のユイの他に更に二人子どもがいて孫までいたのだ…しかも孫の方も既に成人していたのは確かだ…
「え…ちょっと待って…それならもしかして…貴方、私より歳上…?」
「精神年齢的な話にはなりますけど、多分…と言うか、当然ロニキスさんよりも上ですね…正直そう見えないのも分かりますよ?俺自身、この身体になってから精神も肉体に引っ張られるのか自然とガキっぽいというか、短絡的な行動をとってしまう事が多いと感じてるので…」
いや…本当にそうなんだよな…この身体に生まれ変わって後になってやらかした事に気付いて凹んだのは一度や二度じゃない。多少マシになったと感じたのは本当に最近だ…
「ま、俺の話はもう良いでしょう…あ、ロニキスさんには言っても構いませんけどラティとミリーには内緒でお願いします…」
「どうして私に教えてくれたのかしら…?」
「…貴女やロニキスさんは信用出来ると感じたからですよ…いや…実を言うと結構初めの方からそう思ってたんですけどね…ラティたちの事を考えたら、俺はやっぱりそう言う役割かなって思いまして…すみませんでした…」
「…もう良いわよ。理由も分かったから納得も出来たし…それに、家族を守る為なら間違いなく貴方の行動は正しかった…私はそう思う。」
「…ありがとうございます…」