ミリーとロニキスさんの事を聞こうとして町の人に話を聞いていると、興味深い話を耳にした。
何でもこの町の道具屋の店主が冒険者に頼みたい事があるらしい…店の店主の頼み事だし、恐らく報酬の出る仕事だろう…俺たちの時代の金が使える訳も無いし、路銀は間違い無く必要だ…そう話をまとめる俺たちにシウスは暇潰しとしてついてこようとする…
「ちょっと…どうするの?」
シウスと話の盛り上がるラティを後目に俺を二人から離れた所に連れ出したイリアさんがそう言う…俺の返事は決まってるけどな。
「良いんじゃないですか。」
「は?」
「…あいつ、相当腕は立ちます…そもそも、仮に武力の要求される仕事だったらこのメンバーで今動けるの下手したら俺だけになるんですよ?」
元々、別に俺はシウスの人柄の話をしてはいない……イリアさんはそう思ってたみたいだけどな。
「信用出来る、出来無いの話じゃないです…イリアさん、正直に答えて下さい。貴女は武器を使っての戦闘に自信は?」
「……銃なら「ありませんね」……」
俺たちは武器を一切持っていなかった…俺たちがこの時代に行く条件は武器や通信機を全て置いて来る事だったからな。
「…しばらくは俺とラティで交代で戦う事も出来ますが、限界はあります…手が足りないんです。」
ラティ自身も体術は出来る…ただ敵を倒す決め手になる程の実力じゃない(その辺は俺も同じだけど)
「……」
自分の言った事の問題に気付いたのか、若干落ち込んだ雰囲気を出すイリアさんに本当に素直な人だな…という感想が過ぎった。
……まだ若いって事もあるんだろうけど、こんなんで組織で今までやって行けてたのかと不思議に思う…現場では既にそれなりの立場だったみたいだし。…さて、と。
「それで…改めて聞きたいんですけど、何故それを俺に言うんです?」
「え…?」
「ラティに言ったら良いじゃないですか。若しくはシウスにはっきり言ったら良いでしょう…信用出来無いからついてこないでくれ、ってね。」
「それ、は…」
…精神的にかなり強い方、それが俺のイリアさんの評価だ…後は柔軟な様で時々頭は固い…正直上司のロニキスさんがあの性格だし、苦労してるんだろうな、とは思う…そして。
「言っておきますが、俺は基本、ラティの方針に余計な口出しはしませんよ?…余程目に余るなら別ですけど。」
「え!?何故「今の俺は…あくまでもラティと幼馴染で、仕事の同僚…その立場を逸脱するつもりはありません」でも…貴方は…」
「貴女がいようがいまいが、俺にとって…リーダーはラティ…それは変わらない。文句があるなら俺じゃなく、ラティに言うと良いでしょう。」
「……」
彼女のその表情を見て薄々そうじゃないかと思っていたが、改めて確信してしまう…彼女は歳上に依存しやすいタイプなのだと…この場にロニキスさんがいないせいか、精神年齢が自分より上だと分かった俺に無意識にだろうが彼女は縋ろうしている…全く…俺は余計な荷物を背負い込んだのかもしれない。