俺の足元に並んでいるいくつかの武器の内、向かって一番左側にある剣の内の一本を屈んで手に取ってみた。
…部類的には見た目は向こうで俺が使っていた長剣とそう変わらないだろう。持ってみた感想としては軽くはないが、重過ぎるという事もない…ラティは特に問題なく振れるだろう。…大抵、ろくな強度の無い剣の代名詞でもある過度な装飾とかも無い(いや、それが悪いと言う訳じゃないけど…美術品と実用品は別物だとは明言しておきたい…)
「すみません…」
「…何だ?」
持ったまま、店主に声をかける…不機嫌そうに視線だけをこちらに寄越して来た。
「…少し振ってみても構いませんか?」
「あ?何でだ?」
…何でって…普通、先ずは試してみないと分からないだろう…
「…良いんじゃねぇか。」
シウスがそう言う…いや…お前が決める事じゃないだろ…
「おい、何を勝手に「あ"?」…っ…好きにしろ。」
シウスに睨みつけられて、あっさり引き下がる店主に苦笑を浮かべそうになるのを堪え、二人から離れた所に立ち、剣を剣技連携の要領で何度か振ってみる。
……う~ん…ま、使えなくは無さそうだな。
結局その剣を一度置き、他も何本か振ったが、それほど変わらない印象だった…
「…で、結局買うのか買わねぇのか?」
「…これ、いくらです?」
俺は一番最初に持った剣を掴むと店主に見せた。
「そいつなら400フォルだ。」
……いや…待ってくれ…
「おい、テメェ「シウス、待ってくれ」あ?」
声を荒らげるシウスを制すと俺は店主に言ってやった。
「さて…取り敢えず値切らせて貰いますよ?」
「何だと「この剣にそこまでの価値は無いですね…正当な価格で売って貰えますか?」あ!?」
「そうですね、せめて半額にして貰えますか?」
「ふざけ「うるっせぇ!!つべこべ抜かすんじゃねぇ!!」うおっ!?」
「ちょ!?待てシウス!」
店主に殴り掛かるシウスを慌てて止める…
「おい!離せキリ「いや待てって。こっちから手を出したら駄目だって。」つってもよ!こいつは!」
暴れるシウスを何とか宥め、俺は店主の顔を見詰めた。
「…半額は払いますからそれでお願いします…理由は…言うまでも無いですね…?」
顔色の悪くなった店主が首をゆっくり縦に振った。
「おいキリト…」
「ん?」
「…お前だって分かってたからああ言ったんだろ?」
「…剣の相場に詳しい訳じゃないけど、な…」
「正直、200でも高ぇと俺は思うけどな。」
「そこまで容赦無くも出来無いな…ま、反省はしたんだろうし、良いんじゃないか?」
「…ま、お前が良いならもう良いけどよ…」
あの剣に400フォルの価値は無い…下手したら数打ちの剣よりも脆そうなアレは…
「…取り敢えずポートミスまでもてば良いよ。剣の扱い自体は俺よりラティの方が上だ…もたすさ。」
俺はそう言ってシウスとの会話を打ち切った。