「キリト。」
「ん?」
「…あいつ、面白ぇな。」
「だろ?」
俺の話に乗ったシウスがラティの戦う姿を見てそう口にした。
「パッと見、突出して光る物は別にねぇが…中々良い動きをしやがるな。」
「ラティの場合、基本的な事をやって来ただけだからな…邪道は無い。」
「…横道に逸れなかったからこその強さって訳か。」
「ああ。最もそれだけじゃなくてな、頭の回転が早いから突発的なイレギュラーにも対応してのける…応用力は高い。」
「矛盾した能力だな…だが、実際に実現している…あいつには隙があまりねぇ。」
「あまり、か…」
「俺ならまだ付け入る隙はある…つーかお前なら本気でやったら瞬殺だろ?」
「…買い被り過ぎだ。そんなに強くないよ、俺は。」
「…本当にそうか?」
「何だよ、昨日、俺は間違い無くギリギリだったんだぞ?」
「俺はまだお前には先があると思ってんだがな?」
「何を根拠に「お前、何で盾を使わねぇ?」ん?」
「お前やラティが使う剣は両手で扱わなきゃならねぇ程長くもねぇし、そう重くもねぇ。要するにほぼ確実に片手が空く訳だ。」
「……」
「その片手を遊ばせとく理由が分かんなくてな…お前、何か隠してねぇか?」
……六十点位かな?それだと核心は突けてないぜ、シウス。
「それも俺のスタイルさ「身体に軽鎧を着けただけなのもか?」…ああ。」
惜しいな…それじゃ後プラス五点くらいしかやれないな…まだ合格じゃない。
「…ま、機会があったら見せてやるよ…」
シウスとはこの仕事が終わればお別れだ。その先は無い…多分。
「そうか。んじゃ、楽しみにしてるぜ。」
……ん?
「お前、この仕事が終わったら「俺はそうならねぇんじゃねぇかと思ってるぜ?」…そうかもしれないな。」
ラティなら引き留めそうな気がする…
「ねぇ?貴方たち喋ってばかりいるけど仕事は「「誰に言ってる(んですか)?」」……」
イリアさんが俺たちに声をかけてくるが心外だ…俺たちはちゃんと戦闘は熟してる…確かにラティに回す為多少手は抜いてるけど。
「こっちは気になさらず。」
「そういうこった。」
「…そう…やってるなら別に良いわ。」
その一言と共に俺たちから視線を外したが、直前に一瞬だけイリアさんは俺を睨み付けた。
『後で話聞かせてもらうわよ?』
『どうぞご自由に。』
……別に俺に読心の能力なんて無いが彼女の考えはその目からしっかり伝わって来た。特にやましい事は無いから俺も澄まし顔で気持ちを送ってやる。
「……」
直前とは言え、こっちの言葉はちゃんと伝わったらしく、あからさまに不機嫌そうな横顔が見えた。
「…キリト。」
「ん?」
「……女は怒らせると面倒だぜ?」
「…知ってるよ、良~く…な。」
「なら、良いけどよ。」