「僕と、アッシュのデータを、完全に、破壊、して、くれ」
リリアが死んでいると聞いたとき僕はもう現実世界に帰ろうとは思わなかった
彼女がいないなら僕に帰る意味は無いし
そもそも僕の役目は多分もう終わっている
だから僕はパッドからの救いの手を取らなかった
最期に気になったのは世界がどうなったか
……パッドの言葉を聞いて僕はやはりここで消えるべきだと思った
僕が帰ればきっとまた争いが起きる
僕を最後のガレリアンとして二度と誕生させてはならない
だから僕は帰らない
その選択に後悔は無かった
心残りがあるとすればリリアの最期を看取れなかったこと
後少し早かったなら…
……身体が崩れていくのを感じる
リリア、もしかしたら今から君に会いに行くかもしれない、待っていてくれ
そうして僕の意識は完全に消えた……はずだった
「…ん?」
再び僕が目を開けると…白い天井、照明、部屋を見渡すとそこには他には何も無かったが僕がさっきまでいた世界とは明らかに違う
バーチャルの世界ではなく明らかに僕は現実の何処かの部屋(ベッドがあるから病院かな?)にいてベッドに寝かされていた
「僕は……」
「気が付いたか?……とこの言葉じゃわからないか」
人の声が聞こえ僕は顔をそちらに向けた
……派手なシャツを来てサングラスを掛けた金髪の胡散臭いとしか言いようの無い笑顔を浮かべた少年がいた
……彼は何と言ったのだろうか?
聞き覚えの無い言葉だった
『俺は土御門元春。お前さんの名前を聞かせてもらっても?』
今度はわかった。普通に僕も使っている言葉だ
何が起きてるのかわからないが僕は答えた
『僕はリオンだ。』
僕は迷ったが結局ファーストネームだけ名乗った
『…そうかい。それでいくつか質問させてもらっても構わないか?』
『その前にここは一体何処なんだ?どうして僕はここに?』
『混乱してるのはわかるがまずは俺の質問に答えて欲しい、頼む』
驚いたことに彼は頭を下げてきた
僕は慌てて言った
『わかった。わかったから頭を上げてくれ』
彼は頭を上げてくれた
『ありがとな。まあ最初の質問には答える。ここは学園都市にあるとある病院だ』
学園都市?
『聞き覚えが無いって顔だな。とりあえず質問するぞ』
僕は彼に聞かれた事に答えて言った
完全にこちらの身分を確認されてるのは気付いたが今更隠すようなことも無いので包み隠さず答えた
「まさかとは思ったがマジでそうなのか……ミケランジェロシティ……ドロシーにガレリアンズ……参った、キャパオーバーだぜぃ……」
『まだ俺の仮説の段階だが多分お前は異世界から来たんだろう』
彼にそう言われ僕は目を見開いた
リオン
ガレリアンズ:アッシュの直後(リオンの体感で)
アッシュと共にデータを破壊されこの世から消えたはずが何故か生身で学園都市の道端に倒れてるところを学生に発見された
彼に対する情報が無く上層部が頭を抱える中(そもそも内部の人間が痕跡無く侵入した事実が一番問題)たまたま手の空いていた土御門に案件が回り彼が尋問することになった
日本人では無いのは一目でわかったので試しに英語で話しかけたら通じた上に人懐っこそうに見えたので内心ホッとしていた
持ち物はビージェクト(銃器型携帯注射器)と薬が少々
……学園都市の闇を知ってる土御門に話が回ってきた理由がこれである
少なくとも完全に薬物の売人を疑われている状況だった