冬木市郊外の住宅街の一角にその店はある
店構えはお世辞にも大きいとは言えなく外から見ても大量の貼り紙や看板のカオスっぷりによりそもそも何の店かも初見では判断できない
注意深く見て辛うじて飲食店と分かる程度である
一見さんお断りどころか普通はまともな感覚なら訪れようとも思わないその店
……だがこの店、実は冬木市どころか市外からも人が訪れる程の隠れた人気店であり夜毎人の声が絶えない場所なのである
店に入ると体格の良く肌は日焼けとは思えない程の褐色と白一色の頭髪でとても日本人には見えない店員が流暢な日本語で迎えてくれる
そして厨房に立つのは無精髭の目立つ若者
「……店主、三番テーブルからの注文でお子様ランチとポトフとパスタ、それから六番テーブルからカレー、次に八番テーブルから麻婆豆腐、それと……」
「いい加減にしろ!衛宮!注文は一遍に取ってこないで一つずつ持って来やがれ!コッチは一人しかいねぇんだぞ!?…後八番テーブルの奴は奉山に行けと言え!」
「仕方なかろう?この店に居るのは私と君の二人だけだ。どちらかが注文を受けどちらかが料理をしなければ店は回らん。そうまで言うなら人を雇い給え。そうすれば私も料理に集中出来る。……それから八番テーブルの客はあくまで君の麻婆豆腐をご所望だ」
「……阿呆。何処の世界に俺とお前に着いてこれる奴が居るって言うんだ。使えない奴雇ったところで余計に手間が増えるだけだろうが。」
「……あら?ここに一人いるわよ?店主さん?」
「遠坂凛!何勝手に厨房に入って来てやがる!客なら客らしく座って待ってやがれ!」
「中々注文の品が来ないから手伝いに来たんでしょ。……この私が手伝うんだからバイト代は弾んでもらうわよ。後、今日の夕食は店の奢りね」
「……ああ。助かるよ、凛。では私は今来た客を案内して来る。」
「……チッ!衛宮!そろそろ店はキャパオーバーだ!その次の客は帰ってもらえ!遠坂!テメェが勝手に手伝うつったんだ!バイト代は時給950円!そしてテメェが働くのは三時間だけだ!後飯は賄いで良ければ後で食わしてやる!」
「……シケてるわね。まあ良いでしょう。それで手を打つわ。……ああ、それから私は中華しか担当しないからね。」
「安心しな。他には期待してねぇよ。俺か衛宮が作った方が美味いからな。」
「……言ってくれるじゃない。良いわ。いずれ絶対美味いって言わせてみせるから覚悟しなさい!」
「無駄口聞いてねぇで手を動かせ!コッチは一杯一杯なんだ!さっさとしねぇと叩き出すぞ!」
口の悪い無精髭の目立つ店主と紳士的な褐色の店員と臨時の美人バイト。店は今日も賑やかで平和である
当然ながら店主はオリ主
戦場で衛宮士郎と最悪の出会いをし後に意気投合(出会いのエピソードは何となく浮かんでいるが長くなるのでパス)
正義の味方を廃業した衛宮士郎と二人で冬木市で多国籍料理を出すレストランのような居酒屋のような大衆食堂のような店を開くと言う話
遠坂凛は自分の出来なかった事をした店主に少し嫉妬しているものの感謝はしている(恋愛感情は無い。店にはどちらかと言うと衛宮士郎に会いに来ている)
前話の伸びの速さに驚愕と困惑