「……さて、五度目の時は……」
「……ちょっと?何処行くのよ?」
「……凜。ほっといてやれ。……話していいんだな?」
「……好きにしろと言ったぜ。」
「……何なの?あいつ急に……」
「……やはり奴はまだ吹っ切れてないんだな……」
「……何があったのよ?」
「……あの時は我々は別行動だったが偶然にも同じ国に居てな。始まりは奴から私の携帯に連絡があったんだ。」
「……四度目の共闘の際に連絡先を交換したがそれからしばらくは何の連絡も無かったから面食らったよ。それで電話に出た私が聞いたのは初めて聞く奴の必死な声だった……」
「……相当切羽詰まっていてな、当初要領を得なかったから何度も落ち着くように言ったが効果が無くてな……苦労して聞き出したんだが内容が……魔術師に愛する女性を攫われたから救出に手を貸してくれと言ってきた。」
「……え!?あいつそんな人居たの!?」
「……さすがにその驚き方は失礼じゃないか?まあいい。」
「……まともな魔術師相手だと奴には荷が重い。幸い私は同じ国に居たし奴の突き止めた魔術師のアジトは私の居た場所の近くだった。だから私が行くから待っているように言ったが聞かなくてな……仕方なく合流したんだ。」
「……で、さっきのあいつの態度で何となく分かるけど、結果は……」
「……その女性を助ける事は出来なかった……だがその魔術師の実験材料になったわけじゃない。……現地に駐在していた正規軍に犯され殺されていた。」
「……」
「……私の制止を聞かず奴はその場でそいつらを射殺した。」
「……そして私は奴を連れその日のうちにその国を脱出した。」
「……で、どうなったの?」
「……奴はこれ以上借りを作りたくないと言った。だから私は奴と別れた。……その後再び出会った時は今度は奴自身がテロリストになっていたよ。」
「……私は正規軍と協力し奴の所属していたテロ組織を潰した。」
「……各国からお尋ね者になった奴は顔を変えこの国に帰って来た。奴が何で外人部隊に入りその後傭兵になったのかは知らないが元は日本人だったらしい。そして奴の愛する女性を救えなかった私は自分のやっている事に限界を感じ遂には投げ出し私もこの国に帰って来た。そして奴に連絡を取り……その後は君も良く知る通りだよ。」
「……何と言うか……あんたが辞めた理由って別にあいつが何かしたとかじゃないのね……」
「……切っ掛けではあるがね……まあ奴が心配ではあったが奴が帰国する時はまだ私は正義の味方を名乗っていたしな……」