「……」
「……何をしている?早くノックしたまえ。」
飛行機を乗り継ぎ現地にて雇った男の運転でこの村にようやく辿り着いた。……その間一悶着所か私の横にいる男のお陰で何度目か分からない程のトラブルに襲われたが割愛しよう……全く。現地の警察に捕まらなかったのが不思議な位だ。まさか現地に着いてからまで逃げようとするとは……
「……しゃあねぇな。」
奴がドアをノックする。……私は彼女の両親に面識は無い。私は後ろに下がる。……そんな目で見るな。さすがにそこまで面倒見切れんよ。ドアが開けられる……
「……!お前今まで何処にいたんだ!?」
中から出て来た老夫婦に抱き締められ目を白黒させる奴を見て笑いを噛み殺す……ふと後ろを見ればおまけ三人が全員泣き顔だった。……慎二お前もか……全く。これでは私が薄情な奴ではないか……
「……そうか。」
私たちは全員二人の家に招かれ中にいる。私と奴で今彼女の事を話し終えた所だ。
「……すまねぇ……俺のせいだ……」
「……」
口を挟もうとしたが止めた。……私にも責任があるのは確かだがここでは私は発言すべきではないだろう……
「……あの子が死んでお前までいなくなって私たちがどんな気持ちだったかお前には分かるまい……」
「……ああ。俺は親じゃないからな。」
「……お前は言ったな。あの子とこの村に骨を埋める覚悟だと。」
「……ああ。あの時は本当にそのつもりだったさ。」
「……お前がこの村にボロボロの状態で辿り着き、あの子に拾われ、この家に住んでいた半年間……たったそれだけの期間だが本当に楽しかったよ。……今からでも遅くない。儂らの息子としてここに留まる気は「悪いが無い。もう俺には他にやるべき事が見つかっている。」そうか。」
「……邪魔したな。あいつの所に寄っていくよ。」
奴が外に出た。
「……すまない。せっかく会ったというのにあんな態度で……」
「……良いさ。あいつの事は良く分かっている。ところであんたはあいつの何だ?」
「……戦友かな?奴とは仲間だった事もあるし争った事もある。……今では同じ店の共同経営者だ……実態はただの雇われ従業員に近いがね……」
「……あいつの事を頼んでも良いか?」
「……すまないが約束出来ない……奴は本来根無し草の方が性に合ってるタイプだと思う……多分今一つの国に住み店をやってるのも単なる気紛れじゃないかと思っている……」
奴はやりたい事を見付けたと言った。だが奴が満足すればまた奴は旅立つだろう。
「……あいつは飽きっぽいからな。苦労させられてるだろう。」
「……ええ。それなりに……」
「……あいつが飽きる迄で良いんだ……宜しく頼む。」
頭を下げる老人……ふむ。これでは断れないではないか……
「……分かりました。私で良ければ……凛、桜、慎二、そろそろ行こう……」
そう言って家を後にしようとする私たちに奥さんが……
「……今日は泊まっていって?そろそろ日も暮れるわ。」
……言われてみれば時間も時間だ。……そう言えばこの辺は観光地でも無いから宿は無い……ならば……
「……お言葉に甘えるとしよう……三人もそれでいいか?」
三人は頷く。……特に異論は無いようだ……そもそも選択肢は無いような物だが……
「……では奴を呼んでくる。待っててくれ。」