彼女の両親の家にある食材で手料理を振る舞う……いや待て。何故私が率先してやっているのか…?
「……君はせめて手伝ったらどうかね?」
「あん?お前料理好きだろうが。」
「……そもそもこの場は君が腕を奮うのが筋じゃないかね?」
「……めんどくせぇ。金にならないしな。」
こっ、この男は……!
「……衛宮、放っておけよ。」
「そうそうやる気の無い奴に何言ったって無駄よ。」
この場で何もしてないのは奴だけだ……慎二でさえ手伝っていると言うのに……
「……兄さん手が止まってます。」
「ヒィ……」
……率先してやっているという事にしておいてやろう。慎二の名誉の為に。少なくともここでゴロゴロしている奴より何倍もマシだ……
「……ふむ。では君は飯抜きで良いのだ「良し!やるか!」……」
現金にも程があるだろう……
「……おう!衛宮、何ボサっとしてやがる!俺は汁物を担当してやる!お前もそのメイン早く仕上げろや!」
『……』
三人で(慎二は今脇目も振らず作業中だ)かなり冷たい目を向けている筈だがこいつには堪える様子が無い……とっとと作るか……
料理が仕上がり運ぶ……
「君は何をしているのかね?こっちはもう出来たが?」
「何って仕上げだろうが!良いから先持ってけよ!」
……デザートでも無い以上普通メインと同時に持っていくものでは無いだろうか…?
「……急ぎたまえ。」
私は呆れつつも料理を運んだ。
結局奴が料理を持ち込んだのはこちらが粗方食べ終わってからだった……何をやっているんだ……
「……美味い。」
思わずそう口に出てしまい奴の方を見る……ドヤ顔か。こういう顔なのだな。そしてとてつもなくイラつくというのを今理解した。
「……どうだ?衛宮、美味いか?」
「……ああ美味いとも。少なくとも和食以外は君に勝てないと思っている。」
チッ!と舌打ちする音が聞こえた。……貴様の行動パターンは分かっている。わざわざからかうネタを提供するつもりは無い……
「……二人は本当に仲が良いのね。」
奥さんが聞いてくる。
「……んなんじゃねぇさ……ただの腐れ縁だ。」
憎まれ口と周りは思っているようだが違うだろうな……奴は多分本気でそう思っている。まぁ私としても同感だし思う所は無いが。
「……んじゃあ俺は外で「逃がさん。」チッ。」
外で寝ようとする奴を捕まえる。あかいあくまが私を狙っているのだ……何としても道連れを増やさなければ。
「……往生際悪いのはどっちだっての「君は調子に乗って酒を飲みまくり出来上がる所か顔色が土気色になって今にも吐きそうにしている女性に絡まれたいと思うのか!?」……」
「……し~ろう~!早くこっち来なさい!?」
「……ほれご指名だ。逝って来い。」
「嫌だ!食われる!」
さすがにああも酔っ払った女に関わりたくない!何であの暴走を誰も止めてくれんのだ!?誰でも良いから助けてくれ!?