私は杖を握り締め、その城を見上げる
高い…
更に言えば遠い…
正門から城の姿は立ち込めている明らかに夜霧とは違う霧のせいもあり余計に霞んで見える
私の家ベルモンド家はフランスの貴族の家柄
地位は確立されているものの取り立てて特に秀でているものがある訳では無い
それほど歴史も無い何の変哲もない普通の一族。そう思っていた
ある時家の書庫を整理していて一族に関する歴史の本を見つけた
かなり古い……そして読んだ私が知ったのは全く予想外の事実だった
ベルモンド家は元々本家はルーマニアにありしかもその一族は100年の周期を持って復活する吸血鬼ドラキュラと対峙してきたと言うのだ
……眉唾もいいところだと思った
私はそれほど娯楽に触れてきた訳では無いがドラキュラのモデルはかのヴラド三世
15世紀のワラキア公国の君主であり侵略国オスマン帝国の兵士に対して行った所業から串刺し公の異名で呼ばれる人物だ
やり方はどうあれ彼は自分の国を守ろうとしただけだし少なくとも現在の本国ルーマニアでは彼は英雄として慕われている
近年では小説や映画などで彼の性質は捻じ曲げられ不死の血を吸う化け物として描かれるのは私としては娯楽として楽しめない訳では無いけれどあまり良い気はしない
私はその本を閉じ再び書庫の整頓に戻った
その晩私の夢に現れたのがレオン・ベルモンドなる男性
彼はベルモンド家の一族の一人でベルモンド家では初めてドラキュラと戦ったと言う
彼によればあの本に書かれていたのは本当の話であり近いうちに再びドラキュラが復活すると伝えに来たという
とても信じられない……それに何故私なのか?
「今は信じられなくても仕方が無い。だが、いずれ奴はまた復活する。これは厳然たる事実だ」
「何故君になのか?それは既にベルモンド家関係者の多くはヴァンパイアハンターとしての力を失っているからだ。……そう君には力がある。言わば先祖返りというやつだな」
「別に君以外に出来ないと言う訳では無い。だが現代の人間で命懸けの戦いを制したのは君だけなのだ」
「…」
「奴は100年の周期で必ず復活する。私も子孫に押し付けることはしたくないが……」
私は引き受けると言った
まだ信じたわけでは無かったけれど……彼は嘘を付いているようには見えなかったから
「…すまない……何も出来ない私だがせめて君の事を見守らせてもらおう」
そして私は目を覚ました。朝だった
それから数ヶ月後私はルーマニアに飛んだ
信じる信じないの問題では無い。私には分かったのだ。これがベルモンド家の血の呪いなのだろう……
正門の前で私は立ち尽くす
ここに来た事は誰にも知らせていない
正直怖い…
あの戦いよりも…
せめて"彼"がいてくれたら
「…いいえ。そんな事は無いわね。あの戦いの方がずっと…」
ここまで来たのだ。覚悟を決める
私は魔物ブラゴのパートナー、シェリー
彼の隣に立つ者として情けない姿は晒せない
私はベルモンド家としてではなく私自身の意思でドラキュラを討つ
私は鉄製の門に手をかけた…
矛盾の山
というか現在最期のベルモンドのユリウスの設定をどうしたら…