「くっ…何というデタラメな…!」
私の剣技は我流だ…だが、嘗て我武者羅に振り続けた物を戦場での命のやり取りの中、人を殺す事は出来なくとも自分を守れる業として昇華させた物だ…そこに加えて私は強化をして戦っている…その私を二人がかりとはいえ完全に圧倒するなど…!
……一体どうなっている!?奴から剣の心得は無いと聞いているし、実際奴の振るう剣は間違いなく素人のそれでしかない…私と同じく戦場にいたとはいえ、何故こうまで私について来れる!?
「こんな時に悪いが貴方にお聞きしたい!剣術を習った事は!?」
今現在敵対している相手にする質問では無いが私は彼に聞かずにはいられなかった…私と同じく人を殺せる剣では無いものの、奴の振る剣の間隙を縫い、その穴を埋めるように私に向かって来る彼の剣が洗練されているように思えて…!
「本当にこんな時にぶつける疑問ではないな…悪いが私自身は剣は全くの素人だ。…強いて言うなら学生時代に空手をかじった経験しか無いよ。」
「馬鹿な…!?」
では!これは一体何だと言うのだ!?何故彼はここまで私に…いや、奴の動きに合わせることが出来る!?血の繋がった兄弟…長年会っていなかったのにその事実だけで彼にこれだけの剣を振るわせているというのか!?…いや…待て!まさか!?
「干将莫耶…!」
何故だ!?何故製作者の私にではなく彼らに力を貸す!?私が負ければ彼らは殺し合いを再開してしまうのだぞ!?くっ…!ルヴィア!まだなのか!?私ではこの二人を止める事が…!
「何してるのよルヴィア!?早く宝石投げなさいよ!?」
「駄目ですわ!今投げれば二人には恐らく躱されて…シェロに当たってしまいます!」
「何なのよ!どうなってるのよあの二人!本当に一般人なの!?」
やはり二人の内どちらかを沈めなければ…!
「おら!余所見してんなよ衛宮!足元がお留守だぜ!」
「くっ!舐めるな!」
奴が出して来た足払いを片足を上げて躱す…
「では、後詰めは私が務めよう。」
「なっ…!?」
そこへ割り込む様にして奴の兄が突っ込んで来る…馬鹿な…!強化している私より速い…!?
「…ゴフッ!」
「馬鹿な…何だ…これは…」
脇腹を斬られる直前…咄嗟に体内に投影した剣で致命傷は防ぎきったが…これでは私の方がもたんな…!
「…衛宮、もう良い…終わりだ。それじゃあお前が死ぬ。」
「…ここで…私が引けば…君たちは…戦いを再開するつもりなのだろう?」
「当たり前だ。この頭でっかち一回殺してやんねぇと気が済まねぇ。」
「言い方は悪いが、私も同意見だ…何をしたのかは分からないが、その出血では君の方がもたないぞ…下がるんだ。」
「ゴホッ…ふざけるな…!人間は…殺したら死ぬんだ!二度と蘇ったりなどしない!そんな事も分からないのか!?」
「何を言おうと初めから聞く気はねぇ。邪魔だ、退いてろ。」