「ッ…衛宮、丸腰の人間にいきなり剣向けるのはどういう了見だ?」
「…では、私の鼻先で止まっている拳は何なのかな?」
「…俺は兄貴がこの病室にいるのを知ったからぶん殴りに来ただけだぜ?」
「……君の兄のベットは隣だ。…というか、君の事だから私も序に殴ろうとしていて間違えたわけではなかろう?」
「…なあ?私は一応、刑事なんだが…」
「おっと…では、これでどうかね?」
私は剣を消した。
「…警察泣かせだな…別件で引っ張るのも難しそうだ…」
「それは上に止められているから無理だと自分でさっき言っていただろう?」
「一刑事の権限なんて所詮サラリーマンに毛の生えた程度だからな…どうだ?民間協力者として私に手を貸す気は無いか?」
剣が消えた事で再び飛んで来た奴の拳を強化した手で受け止め、力を込める…
「…私にその気は無いよ。他を当たってくれ…最も魔術師のほとんどは世に出るのを嫌うだろうがな。」
「残念だ…手柄を上げればもう少し自由に動けるのだが…」
「痛てててて!離せ衛宮!?」
「…貴方は上に上がればその権力を使って魔術師を捕まえるつもりなのだろう?協力は出来んよ。」
「離せって言ってるだろクソが!」
「そうだな…調べた限り出てくる魔術師のほとんどがろくでもない奴ばかりだからな…職務に忠実なつもりも無いが、人として放置も出来ないな。」
「職務に忠実なつもりが無いならフリーになる事をオススメしよう…今度は逮捕権限が消えてしまうがな…」
「なら、私に辞める選択肢は無いよ…色々繋がりはあるが、個人で動くには少しね…」
「グダグダ話してねぇで手ぇ離せって言ってんだ!」
「ハァ…分かった…これで良いか?…次に殴りかかったら折るぞ?」
「この…!一般人に強化なんて使いやがって…!」
「君の何処が一般人なんだ?私の固有結界を破った君が。…喚いてないで一度自分の病室に戻りたまえ。どうせ抜け出して来たんだろう?」
「チッ…分かったよ…じゃあな、逃げんなよ兄貴。」
……今まで逃げていたのは君だろう…
「…逃げんよ…私も入院の身だ。時間は腐る程あるからゆっくり話そう。」
奴が病室を出て行く…
「…変わらんな…如何に顔を変えようと…何年経とうともアイツは変わらないな…」
「……昔からああだったのか?」
「…おかけで毎回問題起こしてな…アイツの尻拭いを何度もさせられたよ…だからアイツの中で私は真面目な堅物、となっているのだろう…実際はそんな事無いんだがな…」
「私の目から見てもそういう風には見えないんだが…」
「私たちの家が定食屋だったのは聞いてるか?」
「奴から聞いたよ「アイツ、店の売り上げを盗んで遊びに行ったことがあるんだが、あの時…実は私と下の弟も少し摘んでいてな」…そうなのか?」
「二人が怒られた後…親父と二人きりになった時に私もきっちり絞られてな…アイツには内緒にしておいてくれ。」