「何なのよ…これ…」
扉を抜けた先は目の前は行き止まり…左右に道は続いている様…ただ…
「これは…どう考えても足場よね…」
壁の手前にある物体はどう見ても足場…しかも空中に完全に静止していた…試しに乗ってみるが特に何も起こら無い…この足場は一体何の為に…いや…まさか…!
「これを踏み台に上に行けと言うの!?」
ここは塔の様になっているらしく上は吹き抜けで相当高いのか、天井は見えない…
「この城は色々仕掛けが用意されてるとは聞いていたけど…」
こんなの人間にどうこう出来る訳が無い…!
「…いえ。まだ諦めるのは早いわね。」
左右に道はある…先ずはそちらに進んでみましょう…さてどちらを先に…!
「…っ!何なのこの圧力は…!」
取り敢えず右に進もうとしたわたしの背後からとてつもなく大きな気配を感じた…
「…誘っているの?こちらに来い、と…」
これ程の力を持つ者が敵であるなら戦った所で到底勝てるとは思えない…でも…!
「そもそも私は化け物を退治しに来た…こんな所にドラキュラがいるとは思えない…つまり、ドラキュラはもっと強いのでしょう…」
なら、ここで尻込みする訳には行かない。私は深呼吸をしてから後ろに振り向き、私の直ぐ後ろには何もいないのを念入りに確認してから、歩きだした。
前に進めば、進む程、私にかかる圧力は強くなり、何度も歩みを止めそうになる…気を強く持っていなければ気絶すらしてしまいそう…
「っ…扉…」
目の前にはまた木製の大きな扉がある…この圧力はここから…?何度も深呼吸してから扉に手を触れ…!
「っ!…間違い無い…!気配の主はここに…!」
これだけの威圧感を発していながら…分かる…扉の向こうにいる者は私を拒んでいるのではなく…入って来いと、誘っている…!
「っ!ナメるな!」
侮られてる事が分かった私は気配の主に怒気をぶつける…その瞬間、不思議と少しだけどかか?圧力が薄くなった気がした…
「…そっちがその気なら…良いでしょう…こちらから出向いてあげます…!この私を侮った事を後悔させてあげましょう…!」
この怒りが消えたら呑まれるのは何となく分かっていたから敢えて強い言葉をぶつける…さすがにこの扉の向こうにいる者には届いているだろう…私は扉を押し開けた。
「誰もいない…?」
部屋に入った瞬間、感じていた圧力が完全に消え、一瞬体制が崩れそうになるのを何とか堪える…どういう事?
「…っ!ふっ!」
後ろに殺気を感じ、咄嗟に振り向きながら強引に後ろに飛び、杖を向ける…
「…ほう…防いだか。」
目の前には化け物が居た…ボロボロのローブに顔がある筈の部分にはドクロ…、そしてそもそも足が無く身体は浮いていた…そいつの手が持つ物、振り上げられた大きな…それこそ本に出て来る死神が持つ様な鎌をたまたま向けた杖が防いだ様だ…
「何者!?」
「私を知らんのか?お前はベルモンドの者では無いのか?」
「っ!」
その言い方から察するにこの化け物がベルモンド家のハンターと戦ったのは初めてでは無いと言う事になる……そう考えた私に該当する化け物が浮かんだ…この姿…間違い無い!
「デス…!」
「知っているではないか。」
ギリギリと力を込めて鎌を抑える杖が押し込まれて行く…何て力…!このまま鍔迫り合いをしていたら…!
「はあっ!」
咄嗟に足を振り上げる…
「おっと。足癖の悪い娘よ…」
当然躱されるが、距離は出来た…それに足を振り上げた事でスカートがめくれ上がる…私は足のベルトから銃を抜き、更に後ろに飛びながら撃った…
「…!…成程、銀の弾丸とは…」
躱された…!銃が効かないなら…私にこいつに対抗出来る手段はもう残っていない…ここは一度撤退するしか…!
「…どうした娘よ、これで終わりでは無いだろう?」
……その前に隙を作らなければ…!