ネタ帳   作:三和

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錬鉄の英雄のいる店75

「こっちは終わりましたよ。」

 

「…む…早いな。では少し休憩しててくれて良いぞ。「もう開けても良いのでは?」…そんなに早く開けても客は来ないさ。」

 

今日は珍しく(いや、初めてか…)私とバイト君だけが店にいる。

 

 

 

 

「それで遠坂さんは大丈夫なんですか?」

 

「…普通に風邪だそうだ。」

 

「それは良かった。」

 

今日は凛が体調を崩したのだ…私はすぐには気付けなかった…イリヤが言ってくれなかったらそのまま店に出す所だった…

 

「すまないな、今日は君は休みであったのに。」

 

「気にしないで下さい、こっちも急ぎの用事とかは別に無かったんで…」

 

店主は入院中、ルヴィアは奴のところに行っているし(病院内と言う事もあり携帯の電源を切っているので連絡は付かないし、メールは送ったがどうせ奴の所にいる間は確認しない)イリヤには凛の看病をして貰っている。

 

「あれ程、元気な奴がな「接客業である以上、やはり色々気をやってしまいますし、誰でも体調を崩す事だってありますよ。」…そうだな。」

 

気になる事があるとこうやってはっきり意見を言ってくる彼の気質は私は嫌いでは無い…何せルヴィアでさえ評価しているからな…遠坂は早い段階で本来の性格で接し始めたし、イリヤとも仲が良い様だ。それにしても…

 

「君は一人の方が仕事の精度が上がるのか?」

 

「…そうかもしれませんね。何せ僕が前働いていた店は従業員は僕しかいませんでしたし。」

 

「そうだったのか。」

 

一人でやった経験が、彼をここまで成長させた訳か。

 

「ただここより狭い店でしたが…」

 

「確か喫茶店兼、バーだったな。」

 

「ええ。最もマスターは軽食だけでなく、ちゃんとした定食とかも出していましたけどね。」

 

「成程、ちなみに君は料理は?」

 

こうやって話していると意外にまだまだ彼について知らない事が多い事に気付く…せっかくの機会だ、どうせルヴィアは営業開始前にしか来ないだろうし、もう少し親睦を深めたい。

 

「…マスターに習いましたから少しは「今日の賄い、君が作ってみないかね?」…良いんですか?」

 

私は思っていた…彼も実は料理が好きなのでは無いか、と。理由があった訳では無いが…良く考えたら今日、私は本来なら休みである筈の人間に頼もうとしてる訳だが…本人はどうも乗り気な様だ。

 

「構わないさ…私も一度君の腕を見てみたい。」

 

「…貴方にそう言われるとどうも緊張しますね…」

 

「別に何かのテストとかじゃないさ…純粋に君が何処までやれるのか見たいだけだ。」

 

「…そこまで言われたらどっちみち断れないですね。分かりました。」

 

さて、お手並み拝見、と言った所かな。

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