「…で?何でそれを俺に言う?」
「いや…何故イリヤと同じ答えを返して来る?店主は君だろうに…」
次の日の朝、奴の病室に向かい、昨日思った事を相談するとそんな返事が帰って来た…
「知るか。あのガキの時も言ったろうが。使えるんなら文句はねぇ。お前が勝手に交渉でも何でもして来な。」
……全く、とんでもない店主だな…仕方無く私は奴のベッドの前の椅子に座るルヴィアの方を見るが…
「私も特に文句はありませんわ。あくまで私も雇われているだけの身なので。」
「…分かった…こっちで「ただ」…何かね?」
「その方は女性…ですわよね?」
「ああ…確かにそうだが…それが?」
「…リンには…きちんと伝えるべきですわね。」
「もちろん体調が戻れば話すが…何故そんなに念を押す?」
そう言うと彼女は目を閉じ、頭痛を堪えるように手で額を押さえた…どうしたと言うんだ、一体?
「…確かにな。本来、俺たちよりも先に伝えるべきだったと思うぜ?最も風邪で寝てるんだからしゃあねぇっちゃしゃあねぇがな。」
「君までそう言うのか…一体何故「お前な、まさか未だにそう言うの分からねぇって言うんじゃねぇだろうな?」……」
「考えても見てくださいな…好意を抱いてる殿方が自分の知らない女性の事を気にしてるのが耳に入ったら…」
「なるほど…嫉妬か。」
「お前、寝室に遠坂がいる状態でガキに話したんだよな?仮に聞かれてたら面倒な事になるんじゃねぇか?」
「…不味いと思うか?」
「実際、相当不味いと思うぜ?遠坂の性格的に部屋抜け出してそのコンビニまで行くんじゃねえか?」
「しかし…彼女は場所を知らない「どう考えても寝てるべき状況で自分は元気だと騒ぎ出す程、冷静さを失ってるならそれでも出て行くんじゃねえか?」…昨夜は特に動きが無かったが…」
「それはそうでしょう…昨夜はイリヤスフィールに加えて貴方がいたのですから…ですが、貴方は今、ここにいる。」
「悪い事は言わねぇ。急いで戻った方が良いと思うぜ?」
「ああ…」
病院を出た所で携帯が鳴る…イリヤか。
「もしもし「もしもしシロウ!?」ああ。どうした?」
「リンが「部屋はもぬけの殻か?」そうなの!私、ちょっとウトウトしちゃって気が付いたら…どうしようシロウ!?」
二人の話が現実になったか…
「落ち着け。私が心当たりを探すから君はそのまま部屋にいるんだ。」
「でも私のせいで…!」
「イリヤ、君のせいじゃない。看病で疲れていた以上、少し寝てしまっても仕方無いし…それに出て行ったのは彼女の意思だ。」
そうだ、イリヤは悪くない…寧ろこの状況を容易に想像出来たのに二人を残して出て来た私に非がある。
「とにかく、君は部屋で待ってるんだ…何、彼女だって自分の身体の状態は分かってる筈だ…無茶はしないさ。」
イリヤを安心させる為、私はそう口にした…いや…私自身がそう思いたいだけなのだがな…
「分かった…部屋で待ってる…」
「ああ…大丈夫、すぐに見つかるさ。」
電話を切る…さて。
「何処を探したものか…」
私も昨夜たまたま入っただけで普段コンビニになど行く事は無い…昔ならともかく、少なくとも今はそうだ。
「この付近のコンビニを虱潰しに探すしか無いか…全く本当に手間をかけさせてくれる女性だよ。」
そんな面倒な彼女が私はどうしようも無く愛おしいのだがな…