僕は今点滴されベッドに横たわる少女の傍らに置いた椅子に座り彼女の様子を見ている
「……なあ、ロマニ……君がそこに張り付いてても状況は変わらないだろう?後は私が見ているから仕事に戻りなよ。」
「……レオナルド……僕じゃ、僕たちじゃあダメなのかなあ……」
「……」
「……辛いんだよ……こうやって彼女がただただ衰弱しているのを見るのがさあ……」
頬に水滴が流れ落ちる……泣きたいのは彼女の方なのに僕は……
「……私に聞かれたって分からないさ。……ただ私はそれでも彼女に自分が出来ることをするだけだよ。彼女がどう思おうともね……」
「……彼女は……この藤丸立香という少女は……責めないんだよ。誰も。……人や物に当たり散らしても同情こそされ、彼女自身が恐らく責められることは無いはずなのに……自分がどうなろうとも頑張ろうとするんだ……!」
両手を握り締める……ああ……何で、彼女は……
「……多分彼女は目が覚めればまた自分に出来ることをしようとする。彼女に休めとも言えない僕が許せなくなる……!」
「……ロマニ、もういい。もういいから……とりあえず君も疲れてるみたいだから仮眠をとってくるといい。少なくとも今仕事は出来ないだろう?……というか辛気臭い顔ぶら下げてないでとっとと寝て来い。」
「……僕に休んでいる暇なんて……!」
「……元々サボり癖のあった君が真面目にやるってだけで不安になるんだよ、こっちは。良いから寝て来い、なんだったら添い寝でもしようか?」
……急激に頭が冷えた。それは全力で遠慮したい。
「……分かったよ。引き継ぎが終わったら寝るよ。」
「……もう私が済ませてきたよ。君、どれだけの時間ここにいたか分かってる?」
僕はポカンとしていた。……えっ、そんなに?
「……分からないようだから言っておこうか?二時間はここにいたよ。……作業が進まないからって私に連絡が来たんだ。後は心配だから様子を見て来てくれとも言われたよ」
「……そうか。分かった。寝て来るよ。」
気付かないうちに多大な迷惑をかけていたようだ。
「そうしてくれ。大丈夫。立香君の事は私が見ておくから。」
シッシッと犬を追い払うように送り出される……えぇ……さすがにそれは酷くない……?
僕は病室を出る。……仮眠室に向かいながら僕はいるとも思えない神に祈る
……どうか、僕が眠っている間に、立香君の、容態が、急変しませんように、と。
「……そこにいるんだろう?出てきたらどうだい?」
ロマニのいなくなった病室で私は虚空に向かって声をかける
『……よく分かったね、ダヴィンチちゃん。』
私の目の前にカルデア制服を着た黒髪の青年が現れた。
「……それで?君は誰なのかな?」