オレはデスを殴った瞬間、余りの硬さに驚いていた…
…クソが!こんなのを相手してられるか!
オレは床に着地すると直ぐにシェリーの元まで走った。
シェリーの身体を持ち上げ、抱きかかえる…オレの手に大量の血が着いた…長くはもたねぇな…間に合うか!?いや、そもそも何処に逃げりゃあ良いんだ!?
「起きろ!こんな所で死にてぇのか!?」
脱出経路はこいつに聞くしか…っ!?
「逃がすと思うのか?」
後ろから振るわれた鎌を咄嗟に拳で受け止めた。
「ほう…止めるか。」
「消えろ…!この場で殺されたいか!?」
「…出来るのであればやってみるが良い…恐らく出来ないのであろうがな。」
「っ!?」
「恐らくだが、貴様はその女がいなければ本来の実力は出せないのではないか?…ただでさえ、パートナーが死の危機に見舞われているのだ…貴様が単独でも戦えるなら、私を倒す方が早かった筈だ…だが貴様がやったのは殴り掛かる事だけ…つまり今の貴様には私を倒す決め手が一切無いのだろう?」
「テメェ…!」
「その女を助けたいのなら、一つ取り引きをしよう…」
デスが鎌を退けた。
「アア!?」
「貴様がドラキュラ様にこの場で忠誠を誓うなら…その女を見逃そう…」
「オレがそっちに下っても、このままだとこいつは死ぬだろうが!?」
「その女を城の外に連れて行くが良い…その後、貴様は城に戻るのだ。」
「だから「この女がここに来た時点でこうなる覚悟は出来ていた筈…で、あるなら見逃されるのは屈辱以外の何物でも無い。つまり、必要以上の手助けはこの女が惨めになるだけ」…全てはこいつ次第って言いてぇのか?」
「ほぼ確実に、助からんだろうがな…」
「…一つだけ忠告してやる。」
「何だ?」
「この女は必ず傷を癒し、再びテメェの前に立つだろうよ…そして、テメェを踏み越える。」
「その前に貴様の前に現れるのではないか?」
「オレすら越えられねぇなら…ドラキュラどころか、テメェにも勝てねぇだろうよ。」
心底ムカつくが、認めるしかねぇ…こいつは俺より強い…!
「…デス、オレはこの城の構造を知らねぇ…出口に案内しろ。」
デスの案内で城を出て、村の入り口に差し掛かる…
「ここまでだ…」
「ああ。」
シェリーの身体を地面に降ろす…まだ辛うじて呼吸はしてるが…弱いな…オレはシェリーの身体の近くに自分の本を置いた。
「さっきから抱えていたが、結局それは何だ?本の様だが…」
「テメェに従うと言った覚えはねぇぜ、デス。オレが忠誠を誓うのはテメェの雇い主だ…テメェの質問に答える気はねぇし、命令も聞く気はねぇ。」
「良かろう…」
「…戻るぞ。とっととテメェの主の所に案内しやがれ。」