「あの…紅ちゃ…さん…重くない…ですか…?」
「アチキのことは好きに呼んで頂いて結構でち。後、敬語も良いでちよ。…ちなみにお客ちゃまは軽いから全く問題無いでちね。」
カルデアでは、入浴や着替え程度の事でもマシュや、女性スタッフの介助が必要だったし、それ以外の雑事でも割とサーヴァントの人たちにまで迷惑をかけていたけど申し訳無いと言う気持ちを私が口にしても何にもならないから、出来るだけ言わない様にはしていたけど…彼女が私より幼いせいもあってつい、口をついて出て来てしまう…
「何か…忙しいのにごめんね…?私、こんな身体だから…」
また…どうしても彼女には言ってしまう…こんなの甘えでしか無いのに…向こうは間違い無く善意でやってくれているんだから困らせるだけなのに。
「…遠慮しなくて良いでち。…それに、今日お泊まり頂いているのはお客ちゃまだけでちから。」
「え…私だけ…?」
こんな立派な旅館なのに?外から見た時はヘンテコな外観だと思ったけど、中に入ったらあまりに内装が豪華でここに泊まるの?って気後れしてた程なのに……ここの宿泊費私のお金で払えるのかなぁ…さっき、通信を試してみたけどカルデアとは連絡取れないし、これじゃあ私が帰れるのも何時になるか分からないのに。
「さっ、着いたでちよ。」
案内されたのは露天風呂だった。紅ちゃんに身体を支えられながら、湯船に浸かる…カルデアには大浴場があるけど、私の身体の事情もあってあまり入った事は無い…マシュは言っても聞いてくれないからしかたなく部屋での入浴を手伝って貰ってるけど、せめて他のスタッフの人やサーヴァントの人たちには私に構わずお風呂くらいゆっくり入って欲しいから。
……そう言っても連れ出そうとする人たちは結構いたけど。
「ふぅ。」
声が漏れる…露天風呂は初めて…お湯の温度がちょっと熱すぎるかなって思わなくも無いけど、外にいるせいか、そんなに辛くは無い。
「さっ、おちぇ中流ちまちょう。」
「え!?」
しばらく満喫してたらそんな声が聞こえた…てっきり脱衣場で待ってるのかと…途中から気配も感じなかったし…
「うん…じゃあ、お願いするね…?」
「はい。」
どうせ断っても帰らないだろうし、仕方無いか。彼女に抱き抱えられながら私は湯船から上がった。
洗い場で背中を手拭いで軽く擦られる……何か見せるのが今更恥ずかしく思えて来る…さっき浴衣を脱がされた時散々見られた筈なのに…
「お客ちゃま?」
「え…?」
「何か悩んでいる事がおありでちか?」
……ある…どうして私はここにいるのか、とか…後はカルデアの…特にマシュは私がいなくなってどうしてるだろうとか…不安で悩んでる事なら色々…
「良ければアチキに話ちてみまちぇんか?」
「え…でも…」
「アチキはここで女将をちゅる様になって長いでち。色々なお客ちゃまを見てきまちた。もちかちたら何か力になれるかもちれないでち。」
……かなり幼い見た目に見えたんだけど…もしかしてこの子…サーヴァント…?それだったら見た目と中身が一致しなくても不思議じゃない、かも…確かに旅館の女将を名乗るだけあって口調の割にとても大人びて見えるし…
「…そう、だね…聞いて貰おう…かな…」
私は後ろの彼女に私が今までやって来た事を話し出した…