「じゃあ貴方が私の事を紅ちゃんに…?」
「そういう事だ…」
とまぁさっきの私の疑問だけには答えて貰えたんだけど…私には今一番聞きたい事がある…
「あの…何ですか…?その格好…?」
「……気にする「ここで働いて貰ってるでち」女将!?」
ああ…だから雀さんたちが着てるのと同じ着物を…って…何で…?
「女将、こいつも自分の事が飲み込めた様だし、俺は仕事に戻るぞ。」
「あっ、ちょっと…ハァ…ち方ないでちね…このままだとお客ちゃまも訳が分からないでちょうからアチキから説明ちまちゅ。」
「うん…お願い…」
「…と言ってもちょんなに大ちた話ちでは無いのでちが…あの方はお客ちゃまの為に働いているでち。」
「私の…宿泊費…」
「そうでち。」
「何で…そこまで…?」
あの人は私とほんの少し言葉を交わしただけ…自分の復讐を投げ出してまで私を助ける理由なんて無いのに…
「…ちょれは…アチキにもちょう直良く分からないでち…アチキも事情があるお客ちゃまなら、ちょううるちゃい事も言わないのでちが…良いから働かせろと、ちつこかったので…」
「理由は分からないけど…それなら私はここでダラダラしてはいられないね…紅ちゃん、明日から私も働くよ。何か私でも出来る事は無い…?」
私、もう向こうに戻れないみたいだし…このままあの人に働かせて私だけ何もしないなんて出来無い。
「…お前ちゃまに出来る事でちか…」
「あー…ごめんね…」
まあ車椅子じゃね…魂だけとはいえ、体力自体もあんまり自信無いし…あっ、そう言えば…
「紅ちゃんは私の身体の状態は把握出来てるんだよね?」
「はい。」
「じゃあ私の身体の呪いについても…」
「分かっていまちゅ。」
「その呪いは今ここにいる魂だけの私にも影響があったりする…?」
「……ちょうでちね…お前ちゃまはまだ身体と繋がっていまちゅから…」
「……」
「でもお前ちゃまの気持ちは分かりまちた。ちょういう事なら何か考えておきまちゅ。」
何時の間にか私の呼び方がお客ちゃまじゃなくなってるね…少し寂しいけど…不思議と嬉しくもあるかな…
「ともかく今日まではお前ちゃまはここ、閻魔亭のお客ちゃまでちから。そろそろ夕食でち。ちゅこし待ってるでち。」
「うん…ありがとう…」
そう言って去って行こうとする紅ちゃんが唐突にこちらを向いた。
「忘れる所でちた。お前ちゃまのお名前を伺ってまちぇんでちたね。」
「あっ、そっか…私は…藤丸立香」
「ふじまるりっかでちか。良き名前でち…夕食の時に紙を持って来るので漢字を教えて欲しいでち…それと…」
「え…?」
「改めて名乗っておくでち。アチキは舌切り雀の紅閻魔…この閻魔亭の女将でち…明日から宜しくでち。」
「…はい、宜しくお願いします。」