私がここ、閻魔亭で住み込みで働く様になって数日が過ぎた…来るお客の多くが神霊や所謂幻想種(言葉が通じないのすらいる…)それから英霊…と、とんでもないお客ばかりがやって来るここの状況に私は少しずつ慣れ始めていた…
『嫌だ!私は美男美女と入るまで出な…って…可愛い子発見!私と温泉入らない!?』
「はぁ…光栄ではありますが見ての通りの不自由な身体ですよ?本当に良いんですか?」
『全然良いよ!』
「……でしたら業務が終わった後なら付き合いますから大人しく待っててください。」
『うん!脱衣場で待ってる!』
紅ちゃんに追い掛けられてたその人は私が軽く引く程喜んでその場から消えた…
「…ちゅまちぇん…あの御仁、出禁にちた筈なのでちが…」
「何か良く分からないけど残留思念だけ残っちゃったんだっけ?」
「はい…」
「…私が一緒に温泉入れば帰ってくれるなら私は別に構わないよ。それに、個人的には話が出来るならしてみたかったし。」
いやぁ…でもまさかあの宮本武蔵が女性で、自分も美女なのに美男美女大好きで、ここに滞在してた事があったなんて…どうせなら普通の状態で会いたかったなぁ…どっちみち既に死んでるのは変わらないから普通も何も無いのか…
「お前ちゃまがちょう言うならアチキももう何も言いまちぇんが…ならもう上がって良いでちよ?」
「え?でも何時もならそろそろ一杯お客さん来る時間じゃ「だからでち」へ?」
「あの御仁はこれから来るお客ちゃまにも迷惑をかけてちまいまちゅから…ちょれにお前ちゃまが早く行かないと今ここにお泊まり頂いてるお客ちゃまにも…」
「あー…うん…分かったよ…そういう事なら…」
あの人、本当に何したんだろう…?私より一足早くここに来ていた巌窟王さんにも声かけてたらしいけど…何か行くの怖くなって来た…
「本当に申ち訳「大丈夫だから。気にしないで」……分かったでち。」
……とは言え本人には待ってる様に言っちゃったし…紅ちゃんのこの顔見てたら今更嫌とも言えないなぁ…カルデアに帰れるなら小次郎さん連れて来るのに…私一人で行くより遥かにマシだし。
私としては介助して貰ってる身の上で今更裸見られてどうの、とか無いしね……こんな傷だらけで、ここに来てから呪いの影響が少し薄くなったのか、自分で食事を取れるようになった分大分マシになったとはいえ、こんな痩せ細った身体に欲情する人も居ないだろうしね…
……暗い考えが浮かんで来て、何か凹んだけど序に良い手も浮かんだ…こうなったらこの際巌窟王さんも巻き込んでしまおう。…さて、何処に居るかな?