「そっ、か…大変だったんだね…」
「……」
また全部話してしまった…何かここに来てから私、色々緩んでる気がする…
「……」
湯船に浸かったまま、何かを考える様に目を閉じている武蔵さんを見詰める…視線は顔じゃなくてその結構大きな胸に行ってるけど…デカい…同性の私でもつい目が行く…
「うん!決めた!」
「っ!…なっ、何をですか…?」
突然目を開けて大声を上げた武蔵さんの胸から慌てて目を逸らした。
「えっと…確か藤丸立香って名前だっけ?」
「ええ…そうですけど?」
「良し!私、自分でもガサツな方だと思うけど、こういうのは体裁はきっちり整えるべきだと思うの。」
「はぁ…何を言ってるのか…」
「サーヴァント・セイバー…新免武蔵。藤丸立香…私は君を支えるよ、今後とも宜しく。」
……何か変だと思ったら…そっか、さっき会った時より武蔵さんの存在が濃く感じられるんだ…取り敢えず武蔵さんの宣言は一旦スルーして疑問をぶつける事にする。
「武蔵さん、さっきは思念体でしたよね?何時からサーヴァントに?」
「ん?それなら、思念体のままだと君の補助をしてあげられるか怪しかったからさっき別れた後直ぐに。」
「……どうやってですか?」
カルデアでDr…ロマンさんに聞いた事を思い出す…確かサーヴァントの召喚条件はマスター権を得たそれなりの魔力を持つ魔術師からの召喚か、世界の危機によって抑止力から呼び出される以外に無い筈…少なくとも明らかに滅びの危機を迎えてる現実世界と違ってここにサーヴァントが呼ばれる事は無いと思うけど…
「思念体の私を依り代にちょちょいっとね♪」
「……」
どっちでも無かった…言ってる事はむちゃくちゃなのに不思議とこの人なら出来そうに感じる…
「すみません…私、サーヴァント契約出来無「大丈夫…ちゃんと分かってるよ、多分君自身の魔力で私と契約したら君の身体にダメージが行くんだよね?」…まあ、恐らくは「なら、大丈夫。ここにいる分には自分の魔力をほとんど使わずに存在出来るから。無理に契約する必要は無いよ♪」そうじゃなくてですね…」
私は必死に断わる理由を探す…
「武蔵さん、私のサーヴァントじゃなくてカルデアに「悪いけど、今ここにいる私は貴女個人に仕えるって決めたの。他の人に従うつもりは無い…大丈夫。世界の危機でしょう?何れ嫌でも世界か、いるとしたらだけど、貴女の代わりになったカルデアの新しいマスターが私を座から召喚するでしょ…でも"私"はどちらにも従わない。」どうして…」
「私が…君を助けたいと思ったの。理由なんて他にいる?」
「でも…私じゃあ武蔵さんにしてあげられる事なんて「だ~か~らぁ!私が君を助けたいと思ったの!君は何も気にしないで私に助けられなさい!」……そんな無茶な…」
「君、足の呪いはここに来る前のままで、動かないし、腕の筋力は今の所戻る気配は全く無いんでしょう?」
「そうですね「なら、しばらくは私の助けは必要でしょう?閻魔ちゃん忙しいしね」……」
巌窟王さん、普通に断るしね…雀さんはトイレの度に私を持ち上げようとして死にそうな顔してるし…でも…
「……武蔵さん…ここ、出禁になってますよね…?」
「……」
今まで饒舌に語り、自分を売り込んでいた武蔵さんが突然黙り込む…
「まさかとは思いますが、ここに滞在したいから私を助けたいと「違う!私は本当に君を助けたいと思ったから…!」ふふ…分かってますよ。」
武蔵さんが嘘をついてないのは何となくだけど分かる…だけど…
「私の介助役という名目だけでここにいるのは無理ですね、霊体化してても紅ちゃん気付きそうですし。」
「お願い…!私がここに居られるように一緒に閻魔ちゃんに頼んで!」
「……」
私を助けると言いつつ、早速面倒事をお願いする武蔵さんに若干呆れながらも私は紅ちゃんを説得する方法を考え始めた…