ネタ帳   作:三和

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人類最後のマスターが車椅子だったら26

「ダメでち。」

 

「え~!?」

 

「……」

 

武蔵さんと一緒に紅ちゃんの所へやって来て武蔵さんの事を伝えたら当然の如く突っぱねられた……まあそれも当然だと思ってる私はこの時点で特に反論は無い。

 

「閻魔ちゃんは立香ちゃんの事、心配にならないの!?」

 

「……ちょうでは無いでちが、ちょれとお前ちゃまの出禁を解くかどうかは別のはなちでち。」

 

……紅ちゃんは優しいけど、真面目でルールに厳しい方だ…私の事がいくら心配だとしても、自分で決めた"宮本武蔵は閻魔亭を出入り禁止にする"というルールをそう簡単に反故にする事も無いだろう…

 

「閻魔ちゃん、そんなに私が信用「出来無いでち」即答!?」

 

……紅ちゃんがここまで言うなんて…従業員だったなら未だしもお客さんだったんだよね…?本当にこの人何やったの…?

 

「ちょもちょも、アチキが言ってるのはお前ちゃまのちん用以前の問題でち。」

 

「え?」

 

「お前ちゃまのやらかちた事ちゅべてひっくるめてちん用出来無いのもちょうでちが、ちょれ以前にお前ちゃまはもう出禁にちてまちゅ。おはなちになりまちぇん。」

 

「私だって反省「出禁になったのに思念体がちゃっかり残ってる辺り従って無いんですから、反省してないですよね」ちょっと!?立香ちゃんどっちの味方なの!?」

 

紅ちゃんの武蔵さんへの怒りがどれくらいなのか判断出来無かったからしばらくは成り行きを見守るつもりだったのについ、横から口を挟んでしまった…仕方無い、そろそろ私も喋ろうかな…

 

「紅ちゃん…私は、こんな身体の私を雇ってくれて本当に感謝してるんだ…」

 

「……」

 

「でも…私って、紅ちゃんや雀さんたちに迷惑ばかりかけてるじゃない?」

 

「……ちょんな事は無いでち。お前ちゃまは良くやってるでち。」

 

……即答出来無かった時点でそれは肯定と一緒だよ、紅ちゃん…

 

「トイレ一つ行くのも雀さんか、紅ちゃんの補助が必要だったり、後は夜中…お客さんが大体寝静まった頃に私は紅ちゃんにお風呂に入れて貰ってるけど…本当に迷惑をかけてないって言える?」

 

「……」

 

私が普段やってる仕事は日がな一日受付の前にいるだけ…お客さんに失礼があってもいけないし(そもそもやらかしたら私の首が物理的に飛びそうな人たちがお客だけど)気は抜けないけど、一日中動き回る事の多い紅ちゃんも、雀さんも比べるまでも無く私より相当忙しい筈だ…本来なら私に構ってる場合じゃない。

 

「それに、私が一番体力的には楽な仕事だから…あんまり偉そうにも言えないけど…そもそもここの仕事だって手が足りないんじゃないかな…」

 

「ちょう、でちね…」

 

「だからさ…武蔵さん雇ったら少しは楽になるんじゃないかな?ほら、力仕事なら全般任せられるし。」

 

「え!?立香ちゃん!?「出来ますよね?」う…うん!出来るよ!?」

 

顔色を青くして、冷や汗を流しつつヤケクソの様に叫ぶ武蔵さんから視線を外し、目を閉じ、腕を組んで考え込む紅ちゃんを見詰める…武蔵さんがここに居られるように色々考えたけど…この子相手に正直あんまり変な手使いたくないんだよね…彼女が厳しい以上に、あのアーチャーさん以上のお人好しなのは間違い無いから多少情には訴えたけど……

 

……うう…この子本当に良い子だし罪悪感が…巌窟王さんみたいに大人で、偏屈な性格ならもっとどぎつい手も使おうと考えたかもしれないけど…

 

「……分かりまちた。お前ちゃまがここに居る事を許ちゅでち。」

 

「やった~!立香ちゃんありが「ちゅちゅん!まだはなちは終わって無いでち」…え?」

 

「お前ちゃまの事を認めるのに条件があるでち。」

 

そう言って私の方を真剣な顔で見る紅ちゃん…あ…武蔵さんじゃなくて私に言うんだね…うわぁ…何言われるんだろう…

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