「あれ?巌窟王さんもいたんですか?」
休憩室に入ってみると、そこには武蔵さんだけじゃなくて巌窟王さんもいた…この人休憩の時は大抵喫煙所にいて、ここほとんど利用しないのに(というかお客さんに交じってタバコ吸ってるのは旅館の従業員としてどうなんだろう…?紅ちゃんにこっちに専用の喫煙所用意して貰えないか頼んでみようかな?……駄目だ…間違い無く断られる未来しか見えない…)
「フン…俺がいたら不味…チッ…そういう事か。」
「りっ、立香ちゃんが男の人連れて来たぁ!?」
……巌窟王さんは気付いたみたい(取り敢えず完全に母親みたいな反応してる武蔵さんはスルー)
そう言えばスタンスとしてはまだカルデアのマスターの敵ではあるんだよね、この人…会わせて良いのかな…?……今更か。
「武蔵さん、先に言っておきますけど別にこの人は私のボーイフレンドとかじゃないんで。巌窟王さん、取り敢えず敵対行動は止めてくださいね?」
「フン…分かっている…そもそも今更アレに従う義理も無い。」
「ねっ、ねぇ…!?結局その人誰なの!?」
取り敢えず(二度目)武蔵さんはまたスルーして彼の方を見る…
「エドモンに武蔵ちゃん…?」
……二人の事を知ってるって事は彼のカルデアには二人が居るのかな?なら、話はしやすいね。
「さて、話そうか?」
「え?」
「あー…この口調?私、こっちが素なんだ。」
「いや、そうじゃなくて…こっちは何が何だか…」
……私も鈍い方だと思うけど、この人あまりに鈍過ぎる気が…まあ、性別的な違いなのかな…?女の方が精神の成熟早いとかって良く言うし。
「あれ?武蔵さんが私の事何て呼んでたか聞いてなかった?」
「え?……あっ!」
良かった、これで少しは説明が楽だね。
「私は藤丸立香…元カルデアのマスター、簡単に言ったら並行世界の君だよ。」
私はそう言った後、その場で自分の耳を塞ぐ……訝しげな顔していた武蔵さんと巌窟王さんだったけど、やがて武蔵さんは目を見開き、巌窟王さんは眉を顰めた……性別が違ってもやっぱり私なんだね…何となく彼が驚きのあまり叫ぶとしたらここだと思ったよ…
「落ち着いた?」
「うっ、うん…ごめん、取り乱して。」
すぐ立ち直るのは及第点だね…何を批評してるのかな、私は…多分今も現役でマスターやってる彼と違って私はリタイアした身だし…と、落ち込んでる場合じゃないか…
「落ち着くのは良いけど気を付けてね?そこにいる巌窟王さんはまだマスターの敵を宣言してるから。」
「え!?」
「クハ…そういう事だ…どうする?」
うわぁ…巌窟王さんめっちゃノリノリ…すっごい良い笑顔してる…
「そっ、そうだ武蔵ちゃん「すぐに頼るのは良くないよ?後、そこにいる武蔵さんは私の命令以外は例え、抑止力の命令であっても従う気は無いらしいから諦めた方が良いよ」え!?「ごめんね?私は世界よりも立香ちゃんの方が大事だから。」嘘だろ…」
「ほらほら!落ち込む前に早く自分の所のサーヴァント呼んだら良いじゃん!」
私は巌窟王さんが本気で敵対する気が無いのは分かっているので茶番に乗る…まあ、彼を揶揄う事だけが目的じゃないけどね。
「それが…俺、一人でここに来てて…誰も…呼べなくて…」
……これで分かった。やっぱり彼がここに来たのは事故だね。
「そっか。これで君が何でここにいるのかはっきりしたよ「え?」巌窟王さん、そろそろその怖い笑顔引っ込めて貰っても良いですか?」
「クハ…良かろう。」
「え?え?」
困惑してるね…そろそろネタばらししようか。
「さっき私は敵対行動しないでって巌窟王さんに頼んだでしょ?何だかんだこの人、私の頼みは大体聞いてくれるから。」
「フン…」
「え?じゃあ「今のはタダのギャグ♪」え…えええええ!?」
うわ…今度のは防げなかったよ…
「ただ…本当に気を付けてね?巌窟王さんの今のスタンスは私の敵でも味方でも無いって本人は言ってるし、武蔵さんは嘘じゃなくて本当に私以外に従う気は無いらしいから。」
「あー…うん…分かった…」
落ち着いた…ていうより開き直ったのかな?……まあ、良いや。
「うん。じゃあ、君が気になってるだろう私の事を話そうか。」
さて…何から話そうかな?