「おはよう…あれ?君なの?」
朝、私を起こしに来たのはまた"彼"だった…え?何で?
「おはよう。いやさ…俺も紅ちゃんから聞いただけだけど…君と武蔵ちゃん…昨夜、問題起こしたでしょ?」
「う…うん…ちょっとね…」
「……武蔵ちゃんは刀抜いてるし、君はガンドを連発したんだって?それはちょっと、ですまないと思うけど…」
「……」
「まあ、説教するのは俺の役目じゃないし…内容聞く限り君を焚き付けた俺にも責任あると思うから…これ以上何も言わないけど…それでさ、その時の事で紅ちゃんも武蔵ちゃんも今、お客さんに説明しに行ってるから、手の空いてる俺が来た訳…まあ、昨夜もある程度説明したらしいけど「え!?ちょっと待ってよ!それなら私も行かないと駄目じゃん!何で私だけ寝たまま!?」だって君、血を吐いたんでしょ?万が一の事考えたら下手にお客さんの前に出せないから、だってさ。」
「そんな…」
それなら私だって悪いのに…
「まあ、起こしに来てなんだけど…そもそも君の仕事今日は休みになってるから「いや…だから何で!?」ほら、騒がない騒がない。当たり前でしょ?血を吐いたんだから…」
「……」
「それで様子見ついでに体調も見て来る様言われたんだけど…それだけ騒ぐ元気あるなら取り敢えず大丈夫だね?」
「うん…」
「…まあ…今日は休みだから…ちなみに何か食べる?」
「うん…貰える?」
「了解。血を吐いたって事だし、お粥で良いかな?」
「うん…って、あれ?もしかして君が作ってくれるの…?」
「紅ちゃん忙しいから…俺じゃあ不満かもしれないけど「いやいや大丈夫だよ。悪いけどお願い出来る…?」了解、ちょっと待ってて。」
彼が襖を開けて出て行くのを見送る…ハア…やっちゃったなぁ…これじゃあ完全に恩を仇で返してるよ…本当に紅ちゃんに何て言ったら…そんな事を考えてたら襖が開いた。
「持って来たよ…え~っと自分で身体起こすのは出来るんだったよね?」
「うん…まあ、それくらいは出来るよ。」
私は上半身を起こす…う~ん…少し辛い…もしかして更に腕の筋力落ちた…?…筋トレでもしようかな…あまり意味無いかもしれないけど…
「それじゃあはい、あ~ん…」
レンゲで掬ったお粥に彼が息を吹き掛け、私の顔の前に出す…一連の動作に全く淀みが無くて止められなかった…いや…ちょっと…
「さすがに自分で食べるよ?」
「一応だよ、一応…というか、万が一の事があったら俺が武蔵ちゃんに殺されかねないし…このまま大人しく食べて貰えると助かるんだけど…」
「あー…そういう事なら…」
私は口を開いた…レンゲが口に差し込まれる…口に入って来たお粥はほとんど形が残ってなかったけど一応少し噛む…
「…うん、美味しいよ。」
「そう?良かった…」
……味が薄目だから少し物足りなく感じるけどね…その後も私は彼の手からお粥を皿が空になるまで食べた。
「ご馳走様でした。」
「はい、お粗末さまでした。」
「…何か思ったよりスムーズだったけど…看病の経験あるの?」
「ん?まあ何度かね…」
何か含みのある感じ…まあ、聞かないでおこうか。
「さてと。俺は仕事に行くから…と言っても、もうエドモンがある程度やってるかもしれないけど。」
「ごめんね、迷惑かけて…」
「良いって。俺、初日に君に世話になったしさ…これぐらいはお易い御用だよ。」
「そっか…」
どう考えても彼がしてくれた事の方が大きい気がするけど…まあ、彼がそういうなら…
「それじゃあ、お大事に。」
彼が立ち上がり、襖を開けて出て行った。