ネタ帳   作:三和

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人類最後のマスターが車椅子だったら49

「私がカルデアに来た経緯?」

 

「うん。」

 

仕事終わり…並行世界の私である彼がやって来ていた。

 

…え?エミヤさん?基本的に夜には来ないよ?…ここの仕事が終わる時間ってそれなりに遅い時間だし節度は守る人だからね。そうでなくても仕事が終わると紅ちゃんの料理レッスン受けに行くから。

 

……と言うか…深夜帯って訳じゃないけど夜に二人きりってなるとそもそも私がもたないけどね…色々想像しちゃうし…

 

「君も同じ状況で来たんじゃ?」

 

「いやぁ…多分違うんじゃないかなぁ…いや…答えたくないなら別に良いんだけど…」

 

「特にそういう事は無いけど…それなら君から教えてよ。そう言われると私も気になるし。」

 

本来なら機密になるんだろうけど…彼相手ならあんまり関係無いだろうし。

 

「ああ…そうだね…先ず俺はね、献血をしに行ったんだ。」

 

「献血?」

 

「うん。普通に買い物しに来てたら献血カーが止まってたからさ…」

 

あー…良くショッピングモールとかイベント会場に来てる…あれ?それって何の関係が…いや…もしかして…

 

「ねぇ、それって…」

 

「あ、分かる?要するにカルデア側の人間がレイシフト適正ある人を探してたんだよ。で、そのまま…」

 

「そのままって…まさか直行?」

 

「うん…血を摂られて…渡された飲み物飲んだら眠っちゃって…気付いたらカルデアの中で…起きたらいきなり戦闘訓練やらされて…」

 

「……」

 

あー…うん、やりそうだなぁ…

 

「で、君は?」

 

「あ、私?私はね…普通に新聞の募集広告見て来たの。事務仕事って書いてあったから。」

 

「……マジで?」

 

「うん、マジ。行った先でいきなり検査受けさせられたから驚いたよ…その後はろくな面接も無しに後日、連絡するからって言われて…」

 

ま、後日どころか、その日の夜に連絡来たけど…

 

「…で、採用連絡の際に実際に向かう日の日時指定。と言うか、面接に行った時より驚いたなぁ…場所が場所だし…ちなみに私の身の上を考慮して迎えまで出すって言うし…その後は君と一緒。着いたらいきなり戦闘訓練やれって言われて…この状態じゃろくに動けないし…断ったんだけど、命令するだけで良いって言うから…仕方無く…」

 

「…お互い大変だったね…」

 

「う~ん…そうでも無いんじゃない?君と違って私は一応周りに伝える時間あったし。」

 

「断わろうと思わなかったの?」

 

「…迎えまで出すって言われて、断れた?」

 

「う~ん…」

 

「…正直に言うと…迎えが無くても私はどうにかして行こうと思っただろうね。」

 

「…ん…?何で?」

 

「私の状況で出来る仕事に選り好みなんて出来ると思う?」

 

「……」

 

「ま、これは言い訳だね…私はね、電話で採用連絡受けたんだけど…世界を守る仕事だって言われたから…思ったんだよ…私でも何か、世界に貢献出来るならって…」

 

「つまり…何処までも自分の意思?」

 

「人の介助が必要になる私が…誰かの為に出来る事があるなら…やりたいって思った…本当にやり甲斐のある仕事だって思ったんだよ。」

 

「……」

 

そう私が言うと彼は口を開けて、目を見開いていた…もしかしてこれが鳩が豆鉄砲食らった様な顔って奴かな?

 

「いや…人に言わせといて黙らないで何か言ってよ…恥ずかしいんだから…」

 

「そう言われても…何か圧倒されて…」

 

「…君はまともに意識する時間も無かったし、今更同じ気持ちだったなんて烏滸がましい事言うつもりは無いけど、最終的には似た様な気持ちだったんじゃないの?」

 

「……俺は…初めから君みたいには思えなかったし、特異点をいくつ回ってもそこまで大きな想いは描けなかったなぁ「大事な人を守りたい」え?」

 

「それだって大切な願いだし、想いだよ…それに君は私に出来無い事が出来たじゃない?」

 

「それは?」

 

「…自分を守る事。私の様に自分を省みずに走り続けなかったから今、君はここにいる…ハンデがあったかどうかなんて関係無い…君だって、気を付けてなかったら私に近い身の上になってた筈だよ?」

 

「それは…そうかもしれないけど…でもそれはサーヴァントの皆が守ってくれたからで…」

 

「私も皆が守ってくれた…でも、私は進み続けた…自分が壊れるまで…皆に任せて自分は何もしない…そんな事絶対に出来無かった…だって私にはサーヴァントと戦う力は無くても皆を助けられる力があったんだから…」

 

「……」

 

「何も出来無い…ううん…出来る事があるのに大局を見てそのもどかしさに耐えて動かなかった君を…私は尊敬するよ。」

 

自分でも皮肉に取られるかもとは思う…でも…これは私の本心。

 

「他ならぬ君にそう言われたら…納得するしかないかなぁ…」

 

「そうそう…でもね、悔しくもあるんだよ?」

 

「え?」

 

「初めから私が五体満足なら出来る事ももっとあった筈だって…だから私は君が羨ましく…妬ましい。」

 

「そっか…」

 

「ま、今のは忘れてよ…私もこんな気持ち感じたままこの後、眠りたくないし。」

 

「分かった。なら、俺も聞かなかった事にするよ。」

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