「すまない。わたしのせいなんだ……」
……私の怪我は見立て通り多少深いもののそれほど酷くは無かった。ただ、念のため縫った方が良いでしょう……というからてっきり本土の病院に行くのかと思っていたらIS学園内にある医療器具で今まで私を診察していた保険医にそのまま縫われるという斜め上の展開となった……医療器具、それからあの保険医の手際の良さ……生徒が何らかの大怪我を負うことを想定していたのか……?ここには大量のISがあるしここだけで各国との戦争に挑めるんじゃないかと思ってしまった……
さて、ここはIS学園の教員用スペースにある千冬姉さんが根城にしている部屋である
放課後呼び出され職員室に向かいそのまま彼女に連れられここにやって来た
……ちなみにこの時部屋を片付けたのは余談である
足の踏み場を作り卓を開けた後私は彼女が座る向かいに腰を下ろしラウラの事を聞いたところ……この返事が返ってきたのである
……先程から何を聞いてもこれしか言わない。私は時計を見る……あれからもう五分が経過していた。……気は長い方だと自負してるがこのままだと話が一切進まない。
……私が切っ掛けを作らないといけないのか……?
私は溜息を吐くとズボンのポケットからあるものを取り出した
「……ん?それは……!こら!返「一本貰うぞ」あっ!全く……」
私は先の道中彼女からすった煙草の箱とライターを取り出し取り返される前にさっさと火を着けてしまう
息を吸い、溜めて、やがて吐く
「……やけに吸い慣れているな。普段吸ってるのか…?」
「IS学園内で吸ったのはこれが初めてだな。後は外でなら吸う。……ちなみに一夏の前では吸ってないから私が喫煙者なのは知らないな」
「……そうか……さあ、そろそろ返せ。一本だけの約束の筈だ」
私は箱の底を彼女に向け煙草を渡す
彼女の手が煙草に届きそうになった所で彼女の前に開封口が回ってくるように持ち替える
……彼女は困惑していたがすぐ意図を察したようだ
箱から一本抜いた
また手を伸ばす彼女に私はライターを渡さず卓から身を乗り出す形で彼女に近づく。向こうも意図を察したようで顔を近づけてきた。私は彼女の煙草に火を着けて身体を戻し煙草とライターを卓の脇に避ける
「火の着けかたまで様になっているとは……私は育て方を間違えたのか……?」
何やらショックを受けているのでツッコミを入れる
「……いや。幼少期からあんたが家を出るまであんたの世話をしていたのはむしろ私と一夏だと思うが?」
下手な口笛を吹いて現実逃避を始めたので卓を軽く叩き本題に戻す
「……緊張は解れたか?それじゃ、そろそろラウラの事を聞きたいんだが…?」