「よぉクソ兄貴!」
その一言と共に肩を叩かれ振り向いた瞬間殴られ私は倒れ込んだ……ふむ。悪くないパンチだ。ISの操縦技術や剣の腕を磨くだけではなく純粋に徒手空拳を極めておけと口を酸っぱくして言った甲斐があったな。……当時私の部下に欲しかった逸材だ……もちろん下っ端からスタートだがな。
「…!一夏さんいきなり何を「良いんだセシリア。」何を言って……!」
「……何で避けないんだよ。あんた俺の殴るモーションが見えてたろ。」
「……考えてみればラウラにも謝罪出来てないし、お前にも迷惑をかけたろうしな。一発位は貰うべきだろうと思ったんだ。」
「!ざけんな!迷惑?そんなもんどうでもいいんだよ!兄弟だろ!?あんたは何時もそうだ!何時も自分だけで何とかしようとする……!俺に頼れよ!そんなに俺は頼りないのかよ!?あの時あんたが斬られて倒れた時の俺の気持ちが……あんたに分かんのか!?」
「……一夏さん……」
「……」
私は答えない……答えられる訳が無い。あの時後先考えず突っ込みやられたのは私の落ち度だ。……だが、それを見て一夏、千冬、周囲の人間がどう思うかなんて考えもしなかった。とは言え……
「……立てよ…!まだ俺は殴り足りねぇ!」
「……」
私の胸倉を掴み無理矢理立たせ襟を片手で掴んだまま再び私の顔面を殴ろうと伸ばされた拳を止める
「…!」
「受けるのは……一発だけだ。二発目は……余計だ、な……!」
「…!ぐふっ!」
空いた手で一夏を殴る……それだけであっさり私の襟から手を離し吹っ飛んだ一夏に近づく。
「……さっきとは立場が逆だな?どうした?何とか言ってみろ…!」
私は反応の無い一夏を蹴る。……呻き声が聞こえたから気絶はしてないらしい。
「……やめてください!二人が争って何になりますの!?」
「……止めんな、セシリア……!」
「……一夏さん……」
「……このクソ兄貴はぶん殴ってでもやらなきゃ何も伝わらないんだよ……!」
……お前の言いたい事はよく分かってるさ、一夏……だが私の方針は変わらん。
「……先の質問に答えてやろう……お前は頼りない。……はっきり言えば弱い。……お前の気持ち等分からん。私は早々身内を傷つけさせる気は無いからな。」
「……身内を傷つけられる位なら自分が傷付けばいい……それがあんたの考えか?」
「……そうだ。よく分かってるじゃないか。」
成長の為に傍観もするが……汚れるのは戦いを知る私だけで良い。
「……ふざけんな!だったらあんたの評価を覆してやるよ!俺に実力があるなら俺はあんたの横に立っても良いんだろう!?」
私の目の前でISを起動する一夏……仕方無い。
「……良いだろう。来い、一夏。」
私はその場で構えた。……生身?知った事か。高々戦争のせの字も知らんような若造に兵器など使ってたまるか。
「……何だよ……それ…!」
「……今のお前を倒すのにIS等要らん。良いからさっさと来い……気に食わないなら私にISを使わせて見せろ。」
激高し正面から向かって来る一夏に呆れながら私は迎え撃った……