さて、私は今日も謹慎中で……
「……それじゃあ私は戻るわね、ごめん、後宜しくね。」
……謹慎中である……そしてここは整備室。……私の禁止事項は授業に出る事だけの様だ……いや。許可は取っているし今回は反省文も課題も課せられていない……普通の高校で言う無期停の状態なのだろう……私は二週間しか無いが……
「……立場上退学させられないにしてももう少し重い罰があるだろう……」
「……自分から罰則を望むのも珍しいと思いますわよ……」
「……セシリア、お前授業は?」
「……貴方から整備について学びたいと思いまして……」
「……許可は?」
「……」
「……今やってる授業が終わる迄だぞ。」
「…!はい!」
何故私はセシリアに強く出られないんだ…?
「……そう言えばあの二人は?」
「……二人?……楯無と簪か?……気になるなら確認して来ると良い、隣だ。」
「…!はい!」
退出していくセシリア……お前は何しに来たんだ?……気になるのは分かるが……
「……あの…」
「言うな。……分かっている……」
あの二人は何も変わってない。楯無よ……お前から歩み寄らないとどうにもならんだろうに……
「……私、ちょっと「行ってこい。見ててこっちももどかしい」貴方は行かないんですの?」
「……お前の言葉の方が効く。」
「……分かりました。行ってきます……」
「……ああ。」
「……行ったか…」
私は弄っている振りをしていた自分のISを仕舞う……こいつとも長い付き合いだな……あの時以来だ……結局私はこいつをドイツ軍は元より日本政府にも渡してない……
「……今となっては英断だ。力の使い方も知らん弟を守るには必要だからな……」
奴の言ってる事は人として正しい……だが実力が足らんし、所詮理想論でしかない……
「……精進しろ、一夏……」
本人に言うつもりは無い……奴は私を憎んでいるくらいが丁度いい……
「……ふぅ。」
一息吐き、頭を切り替えると私は本来整備する筈だったISを取り出す……
「……セシリアの前で他国の人間のISを整備する訳にはいかん……」
さて、整備に取り掛かるか……
「……セシリアちゃん、やっぱり私……」
「……ここまで来て何言ってるんですの……」
整備室の前で立ち往生する楯無さんに声をかける……まさかあれから一度も声をかけてないなんて……
「……分かってるのよ……今しか無いのは……でも……」
「……そもそもケンカの原因は何ですの?」
私は踏み込む事にする……。お節介だとは思うけど何故かこの人を放っておけなかった……
「……あまり詳しくは言えないんだけど……私の家は世襲制である仕事をしてるの……私には当主としての責任があるの……私はあの子に何も背負わせたくなかった……だから……」
「……」
「……私は言ったの……貴女は何も知らないままでいなさいって……」
私は呆れの溜息を吐く……不器用にも程があるじゃありませんの……私も人の事は言えませんが……
「……姉妹でしょう?多分彼女も待っている筈です……貴女の言葉を……」
「……そうかしら?」
「……貴女はただこう言えば良いんです……一緒に背負って欲しい。私も貴女の抱える物を背負うからって。」
……彼女は結局姉に認めて欲しいから専用機を一人で完成させようとしてると言うのがあの方の見立て……あの一心不乱に打ち込む姿を見る限り正しいのでしょう……
「……私にそう言う資格はあるの……?」
「……あるに決まってますわ。貴女は彼女の姉で家族でしょう?」
「…!そうよね。……ありがとう、セシリアちゃん。私、行って来るね。」
「…!はい!行ってらっしゃい!」
整備室に入って行く楯無さん……これで私の役目は終わりでしょう……
「……戻りましょ「あ、セシリアちゃん?」はい?」
戻って来る楯無さん……どうしたんでしょう?
「……私は彼を恋愛対象には見てないからね、一夏君と違って今の所彼には他にライバルはいないわよ!頑張って♪」
「……はい!?」
「……じゃあね♪」
整備室の中に入っていく楯無さん……最後の最後で妙な爆弾落として行かないで欲しいですの……
「……どうしましょう……これでは戻れませんわ……」
私は赤く染まっているだろう自分の顔をどうするか悩み始めた……
「……セシリアが戻って来んな……」
何となく嫌な予感がした私はISを仕舞い、さっさと部屋に戻る事にした……セシリアは外にいるようだが上手いこと誤魔化して逃げるとしよう……