「何?無人軍用ISの暴走だと?」
「…うむ。」
「……篠ノ之束の仕業か?」
「…先程聞いた時は否定していたよ…」
「……」
千冬の話はこうだ。アメリカ・イスラエル合同開発の無人機IS銀の福音が突如として暴走。現在、この近くまで向かっているらしい……それを…
「…軍の訓練を多少なりとも受けているとはいえ、それを所詮、学生でしかない専用機持ちたちに止めろと言うのは可笑しくないか?」
「…現状、我々以外対処出来るものはいない。」
「…そもそも何故私を呼んだ?私は専用機こそ持っているが所詮、第二世代機。しかも正式には認められていないんだぞ?」
「…私の一存だ。…まあ恐らく主立ってお前が動く必要は無い筈だ。」
「そういうのをフラグと言うんだ。大体作戦の中心メンバーがどう考えても代表候補生以下の半人前でしかない一夏と専用機を与えられたばかりの箒なのは可笑しいだろう。」
「今の所他に方法は「もう一つ聞かせろ」…何だ?」
「無人機と言ったな?あんた本当にそれを信じているのか?」
「……」
「無人機が作れるなら当の昔に女尊男卑は終わっている、違うか?」
「…情報を寄越して来た米軍は無人機だと言っていた……だが私だって本気でそう思っている訳じゃない…」
「……一夏たちには伝えたのか?」
「…まだだ……なぁ、私は最低だと思うか…?」
「知らん、自分で考えろ。どうせ責任はあんたが取るつもりなんだろう?」
「当然だ。人殺しの罪などあの二人が背負う理由は無い。」
「…もしもの時は私が動く。それでいいんだろう?」
「何を言っている?」
「あんたはそのつもりで私を呼んだ……違うか?」
「……そうだ。…すまない……」
「薄情だとは言わん。…いっそ胸を張れ。私に頼むのは妥当だ、私は人を殺すのは初めてじゃないからな。」
「すまない。責任は私が「要らん。自分のケツぐらい自分で拭ける」……そうか。」
「…やはり強いな、お前は。」
「…買いかぶるな。私に出来る事などこれくらいと言うだけだ。」
人を殺す……言う程簡単な事では無い。大義名分があった所で一生それを背負う事になる。……耐えられるのは私のような何人も殺した記憶を持つものだけだ。
「…篠ノ之束に頼んでパイロットの名前を調べて置いてくれ。彼女は人の名前と顔を一致させる事が出来ないがあんたが見れば分かるだろう。」
「一応聞くが何故だ?」
「殺す人間の顔と名前くらい知っておきたい。」
「…分かった。…まあそう気負うな。作戦が成功さえすればお前の出番も無い。」
「…そう願うね。」
前世で私が殺した人数は数え切れない。戦争だったと言えばそれ迄だがこれは私の罪だ。忘れるつもりは無い。とは言え、まさか今世でも人殺しになるとはな…私は戦いから逃れない運命なのだろうか…?